- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784895421867
感想・レビュー・書評
-
ランボオを愛した夭逝の青年。
原口統三の残した言葉は、
今も研磨された刃の様に鋭く光を放っている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読んだ。
解説でも書かれているし、本人もそう語っているけれど、ほんとうに書き殴ったんだろうなあ。とそういう感じがする。それが、全身全霊をかけて書かれたものという印象もあたえる。
言葉や表現に対して信用していない気持ちのようなもの、沈黙を尊ぶ気持ちのようなもの。でも書いた。でも書かずにはいられなかった。
人には理解されないだろうなあという思い。いや、されたくなんかないと思ってたのかも。でも書く。
そんな自意識自意識自意識。
若いなと思う。本当に若い。もちろん自分には到底書けないし、さらに言えば大半を理解できていないけれど。素直すぎるんだ。
でもなんというか、青年の時期に亡くなってしまったがゆえに、私みたいな凡人にも若いな、青いなあと思われてしまう。
生きていたら、すごい芸術家になったであろうに。
死っていうのはそういうものなんだな、と思う。生きているものと死んでしまったもの。大きな隔たりができてしまう。死んでしまった人の時計の針は動かない。
解説も興味深かった。
自死を肯定的に見る気はなくても、なんだか彼のことを擁護してしまうような気持ち。
なんか、強い文体で書かれているんやけども、やっぱり若くて、足元ぐらぐらだったんじゃないかなと思う。
なんていうか、切ないなあ。文学の犠牲者。
彼がみなに一目おかれるような存在じゃなければ、また違ったんだろうけども。。なんとも。
もっと若いときに読むべき本だったんかな。いや、読まなくてよかったのかもしれないけども。