貨幣の悪戯

  • 三田出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784895831239

作品紹介・あらすじ

貨幣は歴史に何をしたのか。貨幣が本質的にもつ悪戯性を「経済学の巨人」M・フリードマンが歴史を紐解きながら明らかにする。われわれはまた、「貨幣の悪戯」に襲われるか。

感想・レビュー・書評

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  • ヤップ島のフェイという石貨。ニューヨーク連銀の金庫にあるフランス所有の金貨。

    ヘリコプターマネーの思考実験。
    支出だけを大きくすることはできない。収入も物価も大きくなるだけ。
    年率10%でヘリコプターマネーを撒けば、物価は年10%上昇する。
    ヘリコプターマネーは実質価値を変えない。物価上昇と所得増加を引き起こすだけ。

    貨幣数量方程式 MV=PT 名目貨幣量×流通速度=物価指数×取引総量
    貨幣が増えれば、現金残高を減らせば、財・サービスの総量が減れば、物価が上がる。

    金の算出は、金本位制の国の物価を上昇させた。

    ドラクマはアテネの通過だった。ギリシャがローマ帝国に併合されるまで銀含有率が一定だったため使われた。ローマのデナリウス銀貨は悪鋳が続いたため、帝国の崩壊につながった。

    1873年の犯罪(1873年の造幣法)=銀を貨幣から外した。
    1887年の青化法による金製造で、低品位の金鉱石から採算に合う金が取れるようになった。南アフリカの金鉱山が最適だったため、金が大量に製造された。

    金本位制を主張するマッキンレーと、金銀複数本位制を主張するブライアンの大統領選挙。

    貨幣錯覚=個人が名目価格に注目し、実質価格や物価との比率に注目しない。デフレで収入が下落すれば、物価が下落していても支出を抑制する。インフレで収入が増えれば、物価が上昇していても支出を増やす。

    銀本位制は中国とインド。
    複数本位制=以前のフランス。主体が金と銀でときどき入れ替わる。

    物価指数本位制=物価指数による通貨。
    合成本位制=金と銀の割合を変化させる。

    ルーズベルトの銀購入計画=銀本位制の中国をデフレにした。=銀が不足した。

    日本の中国侵攻で、軍備のため紙幣が増発されハイパーインフレが起こった。

    戦争と革命はハイパーインフレの幕開き。
    独立戦争の大陸紙幣、フランス革命のアシニャ紙幣など。
    金、銀本位制の時代はハイパーインフレとは無縁。

    貨幣量と物価は連動する。貨幣の変化が先にある。
    労働組合の賃上げ闘争がインフレの犯人ではない。

    インフレとアルコール依存症は似ている。治療法も同じ。インフレは貨幣的現象である。

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