- Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
- / ISBN・EAN: 9784896192759
作品紹介・あらすじ
五経の一。もと尚書と称し、上代は堯・舜より夏・殷・周時代の政道を伝承的に記録する。本書は、中国最古の帝王像を描写した貴重な資料でもあり、民本主義を代表した政治思想の姿とも言える。
感想・レビュー・書評
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(理想の)為政者の言行録(として後世に書かれたもの?)
●虞書篇・大禹謨(だいうぼ)
人心惟(こ)れ危く、道心惟れ微(かすか)なり。
惟れ精 惟れ一、 允(まこと)に厥(そ)の中(ちゅう)を執れ。
舜が禹に禅譲するときの言葉。
欲に目がくらみがちな人心に従うことは、危険この上もなく、道義心と言っても、是非もない欲心のために隠蔽されがちとなるので、微かにしか見えないものである。
故に人心については危険に陥らないようにし、道心についてもこれを明らかにするようにしなければならない。
そこで人としては、これを細やかに洞察し、心を一つにして、中庸の道を執るようにせねばならない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
文意不明な箇所が多かったけれども、全体を通して文脈を追うに、非常に爽快な内容である。為政者の挙動が記述され、そのたおやかで威厳ある姿は、仰ぎ見て余りある。私がこれを目指して徳を積むという発想はないので、一市民として我々が上に戴く人物への興味関心に過ぎない。日々瑣末な出来事に接して右往左往しながらも、こうした理想を見聞すると、心は非常に楽しい。とはいえ、私などは金銭を招き入れようと努力を傾ける身分であり、己の職分は弁えておかなければなるまい。そんな中、現実として政治の動向が我々の未来を左右するから、職務に当たりながらも、為政者への眼差しを持つべきだろう。
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O2-1/56/1
1988年3版を所蔵