シャルダムサーカス

  • 未知谷
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本棚登録 : 30
感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (166ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896423150

感想・レビュー・書評

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  • 図書館本です。ハルムスといえば、柴田元幸さんの『monkey business』レーベルから『ハルムスの世界』という作品集が出ていて、そちらを読みたいと思っていたんですが、「返ってきた本」のラックに、この本があったので。作者のハルムスについては、予備知識もほとんどなく、しかも『ハルムスの世界』の訳者さんの、結構こみ入ったプロフィールと混同してしまっていたので、典型的な旧ソ連文化人プロフィールに微妙に落胆(ハルムスその他の皆さんの経歴をバカにしているわけではありません、念のため)。この本に集められた児童文学は、創作の道を閉ざされるのを避けるために、心ならずも書いていたような雰囲気があるらしいのですが、ちょっと無茶振りな加減がマザー・グースっぽいようでチャーミング。コーリカやペーチカなどの、ロシア語の名前も単純にキュート。旧ソ連青少年もの定番、ピオネール・キャンプも!個人的には、「ウサギとハリネズミ」の、ハリネズミのくしゃみとあわてふためきようが可愛くて好き。「十七頭の馬」のロジックがのみこめなくて、何度も読んじまったい!「骨破」の怪しい日本人なんか、『ベスト・キッド』みたい(笑)。表題作は、カフカ『断食芸人』に似た、どたばたな哀しさがあるような気がしました。 「ふーん」と読んじゃったものも結構あるので、インパクトと面白さを重視したら、☆3つくらいになるのかなぁとも思います。でも、意表をついた展開やオチに、ロシア民話のセンスを感じたりして、なんかそこは捨てがたいような。こんどは黒さのある、「ホントの」ハルムス作品を読んでみようと思います。

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ダニイル・ハルムスの作品

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