血の熱

  • 未知谷
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896424928

作品紹介・あらすじ

未完の大作"フランス組曲"同様イレーヌの死後60年にわたって鞄に眠り続けていた作品だが完成作としては最後の作品。粛粛と巡る水車小屋で突然起こった惨劇。一つ一つ明かされてゆく秘密-「血の熱」は若者たちを何処に駆り立てるのか!?

感想・レビュー・書評

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  • 薄い本なのに濃厚。カニ味噌のように内側にあった情念が暴かれてゆく。知らないのは当人達だけ。あら、うちでは味噌は捨ててますのよ、誰も好きな人はいませんから。こってりとした見た目よくないそれは、街の人に味噌汁としてこっそりと振る舞われていた。他人のスキャンダルは出汁を取るようにうまいだろうが、本人達にとっては忌まわしく見たくないもの。隠して忘れていると、腐って悪臭を放つ。ああもっとこの人の本が読みたい。やはりロシアに外れなし。ロシアってそういやカニもエビもあんまり食べないわね。(個人の感想です)

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著者プロフィール

1903-1942年。キエフ生まれ。ロシア革命後に一家でフランスに移住したユダヤ人。1929年、長篇第一作『ダヴィッド・ゴルデル』で成功を収め(31年J・デュヴィヴィエ監督が映画化)、一躍人気作家に。第二次大戦が勃発すると、夫と娘二人とともにブルゴーニュ地方の田舎町イシー=レヴェックに避難、やがてフランス憲兵によって捕えられ、42年アウシュヴィッツで亡くなった。娘が形見として保管していたトランクには、小さな文字でびっしりと書き込まれた著者のノートが長い間眠っていた。命がけで書き綴られたこの原稿が60年以上の時を経て奇跡的に世に出るや、たちまち話題を集め、本書は「20世紀フランス文学の最も優れた作品の一つ」と讃えられて2004年にルノードー賞を受賞(死後授賞は創設以来初めて)。フランスで70万部、全米で100万部、世界で約350万部の驚異的な売上げを記録し(現在40カ国以上で翻訳刊行)、映画化された。

「2020年 『フランス組曲[新装版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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