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- Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784896941883
作品紹介・あらすじ
手のひらに乗るもの、森で落葉を食べて暮らしているもの。フランスでは"チーズ職人"として働く、のろまな平和主義者。ダニは、知れば知るほど不思議な生きもの。さて、その正体は?
感想・レビュー・書評
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マダニがこわいとたびたび話題になり、アレルゲンだとか、刺されるとか、基本的にダニを「いい生き物」としてとらえた報道はなく、「社会のダニ」のように、寄生して害悪をなす比喩としても使われる。だから、ダニを「駆除する生き物」としてではなく研究するということは、すなわちダニを愛しているというわけで、それはどうしてだか気になって読んでみる。
シロアリもそうだが、ダニも人間に害をなすものはほんの少し、ダニは全体の1割に過ぎず、その食性も昆虫と同じくらい様々。変わった形のものや綺麗な色のものもいるという点で、昆虫にひけを取らぬ魅力のある生き物だということがわかった。
さらに、ダニが蜘蛛やサソリの仲間だということは知っていたが、同じ仲間にダニでも蜘蛛でもサソリでもないものもたくさんいることが衝撃。ヒヨケムシとかカニムシとか、クモ綱の種類の多さにびっくり。いままで森林の中で見かけて「はい、クモ」と片付けていたのが惜しまれる。知っていたらもっとよく見たのに。
読んでいて、著者のダニへの愛が伝わってきて、もっとダニをよく見てみたいという気持ちになったし、ダニに対する様々な誤解と正しい答え、マダニの対処法などもわかって、ええかげんな情報よりずっと安心できる内容。
今度は、島野先生のエッセイも読んでみたい。ウルド浩太郎より面白くなると思うよ。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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