うちのカメ: オサムシの先生カメと暮らす

著者 :
  • 八坂書房
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (124ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896946451

感想・レビュー・書評

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  • 2023年 1月1日 みなさま明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします  ̄(=∵=) ̄

    自分も『クサガメ』を13年飼育しているので読んでみました。クサガメには、『亀のおじさん』との忘れられない思い出があるので ここに記します。

    10年ほど前に近所を散歩していたところ、透明の大きな衣装ケースに、たくさんの亀!10匹ほどいたでしょうか…広い衣装ケースのなかで、亀たちは すいすいと気持ち良さそうに泳いでいました。そんな亀たちの側には、いつも おじいさんが座っていました。おじいさんは無口でしたが、わたしたちがあいさつすると、にこりとわらってくれました。わたしたちは、そのおじいさんのことを『亀のおじさん』と ひそかによんでいました。
    当時、まだちいさい息子との散歩コースだったその前を通るたびに、私と息子が亀たちのことを じい~っと見ていると、ある日、「亀、あげるよ」と、おじいさんから ちいさい亀をもらったのです…。それから、亀の飼育生活が始まり、図鑑を調べると『クサガメ』という種類だとわかりました。

    本書については、まだ読んでいる途中なのですが…。クサガメに対するオサムシ先生の愛がすごいことになっている…!
    クサガメが家の中で放し飼い…!
    クサガメにペットフード与えすぎて太りすぎた結果、甲羅のなかに体が収納?格納?(表現が合っているかわかりませんが…)できなくなった…!
    などなど、面白ネタ満載の予感。図書館で借りた本なので2週間まるまる楽しみたいとおもいます。
    自分には、オサムシ先生のようにクサガメを家の中で放し飼いにする勇気はまだなく、庭に置いた水槽の中にいるクサガメを愛でる日々です。本の感想から脱線しましたが、クサガメを愛でるオサムシ先生のまなざしと文章に和みましたので、興味のあるかたにおすすめします。

  • 『趣味どきっ』2022・12~2023・1月の読書特集で紹介されていた本。

    昆虫学の専門家がカメを飼った、その飼育日記。といっても小難しくはない。人間と一匹のカメが、家族として同居した、幸せな日記。ややこしい記録のためのものではない。まさに『うちのカメ』以外にピッタリのタイトルはない。

    カメってなつくんだ…。そしてめっちゃかわいいんだ…!という素敵な事象と、カメに寄り添って暮らす石川先生ご夫妻の、愛情があふれている。カメのカメコちゃんへの思いに満ち溢れている一冊。

    「カメコ。お家だよ」

    っていう呼びかけが、優しくて。

    カメという生き物のことを、私は何も知らなくて、ただ紹介の内容に、素直に惹かれて読んだだけなのだが。カメコちゃんを、無理に人間の都合で動かさない。基本的な生態を押さえた上で、カメコちゃんの、今、目前の様子に合わせてお世話をする。可愛がる。猫可愛がりで弄り回さずに、カメコちゃんの行動と自分たちの生活が交わったところで、自然に慈しむ。その態度に感じるものがあった。

    ペットを飼ったことは、ほんの一度か二度。それも偶然のご縁で、大して可愛がれず、仲良しにもなれないまま別れてしまった。インコもハムスターも、さぞ迷惑な飼い主だったことだろう。こういうふうに、こちらが心から大事に思って、生き物の側に立って、無理せず暮らさないとダメなんだな…人間への態度にも通じるな、なんて思って読んだのだ。

    可愛いところを見せてくれないとか、思い通りにならないとかの前に、心地よく相手がいられるよう、心を尽くしているか。全く、なっていない私であった。

    カメコちゃんの感情表現?や、しぐさ、日常が豊かになっていくのが、たまらなく愛らしい。歩くのも、よじ登るのも、温かいところが好きなのも。旅行帰りの石川先生に、「待ってたよ!」するところも。最高かよ。カメ。可愛いよ。カメ。知らなくてごめんね。

    サイエンスエッセイなんか普段読まないとかおっしゃらず、探して読んで頂きたい。最後の方で、この本の執筆時には、ちゃんと元気でいると報告されていて、ものすごくほっとしたし、嬉しかった。すっかりカメコちゃんに情が移ってしまったのである。今はどうしているのかな。いくら長命でも、1994年の出版だもの。どうだろう。

    人間も生き物で、どんな生き物とも、本当は共存させてもらっていること。一緒に生きてる事自体に、深い恩寵があることを、やさしく教えてくれる、楽しい本だった。正しい知識に沿った飼い方の大事さも、特に言われないが、強く伝わる。最良を尽くすんじゃないと、申し訳ない。生き物の一生に関わる重大事だ。尻込みすることはないだろうけど、適当に飼うのは、カメに迷惑かかっちゃう。巻末のカメに関するレクチャーのページも、正確で理解しやすくて、とても良かった。読み飛ばさず読了されるのをおすすめする。

    カメが太古、恐竜とかともつながるなんて知らなかった。すごいロマンだ。

    時には自分が読まない、こういう本も、ピピッと来たら直感に従って読んでみるといい。読書案内から何を受け取って、どう表紙を開くか、その感度を上げて置くのが大事。きっと面白い!って思った通りだった。

    • workmaさん
      瑠璃花さんへ
      はじめまして。

      自分も、「趣味どきっ ~ 読書の森~」という番組で、オサムシ先生の著書を知り、実際にクサガメを10年ほ...
      瑠璃花さんへ
      はじめまして。

      自分も、「趣味どきっ ~ 読書の森~」という番組で、オサムシ先生の著書を知り、実際にクサガメを10年ほど飼っているので、図書館で借りて読みました。同じ時期に同じ本を読んでおられたので、コメントしたくなりまして…( ´∀`)

      この本を読んでると、愛があふれててこぼれまくってるよ~カメコ愛に癒されますね。
      2023/01/27
    • 瑠璃花@紫苑さん
      workma様

      初めまして。コメントありがとうございます。

      私も同じ番組観て読みました。ご縁ですね。嬉しいです。クサガメちゃんが...
      workma様

      初めまして。コメントありがとうございます。

      私も同じ番組観て読みました。ご縁ですね。嬉しいです。クサガメちゃんがご家族にいらっしゃるんですね。面白さもひとしおではないですか?
      カメコちゃんの日光浴の様子、モノクロなのになんて気持ちよさそうな!
      おっしゃる通り、愛が溢れてますよね。言葉の端々に…(^^)

      生き物と暮らすのも、ほんと、幸せの一つなのですね。読むと優しい気持ちになれます。いい読書時間でした。

      また、よかったら遊びにいらしてくださいね。
      2023/01/28
    • workmaさん
      はい(*^^*)
      はい(*^^*)
      2023/01/28
  • 普通に売られていたクサガメのカメコが35年間(94年の段階で)元気に生活し、しかも現在の生活空間が水槽ではなく人々が暮らす室内、しかもしかも人慣れの仕方が半端じゃない。
    膝の上で寝るなんて、まるで猫のよう。
    だからと言って、うちの子最高☆天才☆とかのベタッ可愛がりなのではなく、淡々と事実として記録していく風な文章が非常に好感が持てる。
    淡々とした中にも、家族としての包むこむ様な愛情が見える。
    カメコはきっと幸せなのじゃないかなと思う。
    亀飼育にあたって大事なのは機材ではなく、亀にいかにストレスを与えない事なのではないかと思った。
    解説で矢部隆さんが「亀を安易に飼うことは控えて欲しい」と書いている。
    飼いやすい動物は、言い換えれば「死ぬまでに長い時間がかかる動物」なのだと。
    劣悪な環境でも長生きしますと言うのは、劣悪な環境でも死ねずに苦しみ続けると言う事なのだろう。
    それを踏まえて、この本を読んで「うちのクサガメちゃんも座敷亀にしますぅ☆」とならないでほしい。
    させようと思って出来るものではない。
    カメコが特別な亀だったってだけなのだから。
    座敷亀にしたければ、せめてリクガメにしてください。
    (でもそんな安易に考える人は亀飼育しないがいいかもしれないな)

  • カメ飼ってる人に是非読んで貰いたい一冊です。うちで飼っているカメとは種類が違うけど、似ている仕種(寝てる姿とか…)も多くて読んでいて楽しかったです。35年も一緒に暮らすとカメコの方もちゃんと家族を理解してそう。うちのカメはまだ3歳なので、32年後の姿は想像もつきません(^_^;)

  • カメを飼っている友人から借りた本。
    著者はクサガメの「カメコ」のことを非常に可愛がっているのに、ベタベタした印象を受けず、両者の間に適度な距離感があるのが好ましい。
    うちにはカメではなくトカゲがいるけれど、こういう距離感って大切だと思う。

  • クサガメがウチに居るよ。という人はぜひ読んでみてもらいたいです。
    亀を出来るだけ好きにさせておく、亀と人、双方がいい関係を持てる。そんなことのヒントにあふれていると思います。

  • 私がカメを飼ってすぐの頃に書店で出会った本。
    著者の文章は理系の学者だけに冷静で客観的な姿勢を装いながらでもカメコへの愛情が抑えきれずあふれてきています。私もうちのカメを家の中で歩き回らせたいささやかな夢があるけど、たぶん子供にふみつぶされそうなので、いつかみんな出て行ったら、夢をかなえようと思います。カメはきっと長生きだからそれまで元気でいてくれるかな・・・。

  • 35年間クサガメと暮らしを綴った本。
    長生きカメコは個性があってかわいい。
    たくさんの愛情が伝わってきます。

    うちにギリシャリクガメがいるのですが、快適に永く生きてもらいたいと切に思いました。

  • 亀を飼い始めてから偶然出会った本です。
    全編を通して作者の亀に対する愛情にあふれ、また後半の専門的な説明も亀に対する理解を深めてくれます。
    この本を読んでから、本当の亀好きになれました。

  • 亀に興味のなかった私を亀飼いにした一冊。ただの愛亀日記ではなくて、愛情をもって亀を観察し、学術的な解説もついているところが、とても読みやすくわかりやすい。

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著者プロフィール

東京都立大学名誉教授、理学博士。1931年 京都府に生まれる。九州大学大学院農学研究科博士課程単位取得退学。国立科学博物館研究館、東京都立大学教授などを歴任。

「2008年 『節足動物の多様性と系統』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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