プロコフィエフ: 音楽はだれのために (作曲家の物語シリーズ 15)

著者 :
  • リブリオ出版
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784897847849

感想・レビュー・書評

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  • ひのまどか氏の伝記はいつも丁寧な取材と平明で偏りのない語り口を評価しているのだけど、このブロコの伝記もよかった。

    鼻持ちならない天才少年ぶりとか、祖国の革命や新体制(ソビエト)に翻弄されたくだりとか、とても伝わるものがある。

    本物の天才は、どんな状況にあっても自分の天分をまっとうできるんだなぁ。
    でも興味深いことに、同じ天才作曲家のマーラーが過酷な運命に耐えかねてどんどん絶望的な音楽を書くようになったのに対し、プロコフィエフはますます大衆の心に訴えかける美しい音楽を書くようになった。彼の強さの源は何なのか。もしかすると、マーラーが、宿命的に根無し草であることを強いられるユダヤ人であるのに対し、プロコフィエフがロシア人であり、なおかつ海外へ亡命せずロシア人であることを貫いた結果なのかもしれない。

  • 子供向けとは思えない素晴らしい出来。そもそも子どもがプロコフィエフの伝記を読もうと思うのかどうかは謎だが。

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著者プロフィール

■著者について
ひの まどか
音楽作家。東京生まれ。東京藝術大学器楽科(ヴァイオリン専攻)卒業。東京ゾリステンほかでヴァイオリニストとして活躍。東京藝術大学、故小泉文夫教授の下で民族音楽を研究。その後、作曲家の伝記や小説、音楽解説などの執筆活動に入る。現地取材がモットーで、「作曲家の物語シリーズ」(リブリオ出版・児童福祉文化賞を2度受賞)は全20巻中、19巻を手がけた。主な著書に『星の国のアリア』(講談社)、『総統のストラディヴァリ』(マガジンハウス)、『戦火のシンフォニー』(新潮社・第25回新日鐵住金音楽賞特別賞)。原案・監修に「学研 音楽まんがシリーズ」などがある。

「2020年 『音楽家の伝記 はじめに読む1冊 チャイコフスキー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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