- Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
- / ISBN・EAN: 9784898310854
感想・レビュー・書評
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ニュルンベルク裁判は、国際法的根拠がある(ロンドン議定書)が、東京裁判は国際法的根拠がない。▼サンフランシスコ講和の後、日本の議会は戦争犯罪による受刑者の赦免(しゃめん)を決議(1953)。死刑や獄死した被告の死は公務死と見なした。死刑になった人も靖国神社へ合祀された。東京裁判の「戦犯」を否定した。
32年テーゼ。ソ連コミンテルンによる日本共産党への指令。皇室をロシア帝国の専制と混同し、「絶対主義的天皇制」と規定。これを打倒するため「ブルジョア民主主義革命」が必要と主張。
朝日新聞の戦争煽り。「欲しがりません勝つまでは」「撃ちてし止まむ」は朝日新聞が募集して宣伝に使った標語。「敵来たらば、『一億特攻』で追い落とそう」(朝日新聞 昭和20年6月14日朝刊)。「老人も女も来るべき日に備えよ」。満州事変以降、朝日の発行部数は急増(大儲け)。「欲しがりません勝つまでは」と紙面に載せる一方、編集局長は高級料亭で芸者遊びに興じていた。▼イアンプ強制連行捏造。吉田清治「本に事実を書いても何の利益もない。カムフラージュした部分もある。事実を隠し、自分の主張を混ぜて書く。新聞だってやっている」
※鈴木善幸。軍事同盟である日米安保条約を破棄する、と誤解されるような発言。国際法では、一方が破棄すると宣言すれば破棄される。問題に。社会党出身、国際法音痴。
※東京書籍。教科書上に官憲による「強制連行」があったかのように記述。▼謝罪する=賠償責任を負う。
※マッカーサーの両親は教育熱心。偏差値秀才。エリート意識が高い。GHQは事前検閲により報道の自由を害した。
※原爆投下の責任者は戦犯として裁かれなければならない。明白な国際法違反。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「知の巨人」とも称される小室氏は人文・社会科学分野で高い学識をもち、多数の著作を残している。著作の中には「~原論」と題するものが多いが、それに倣えば本書は「現代日本原論」とも言えるだろう。
「日本国民に告ぐ」というセンセーショナルな表題は憂国の書にありがちではあるが、小室氏の主張は単なるイデオロギー論ではなく、人文・社会科学に基づく論理展開を伴っていることが特徴である。
本書は1996年に出版された同名の書を改定したものであるが、その内容は当時よりも安倍政権下の現在の方がより重みを増している。教科書問題、従軍慰安婦問題等を切り口に日本人の歴史認識がどのように形成されてきたかを分かりやすく解説している。そして、その内容が分かりやすいだけに、保守でも革新でもない多くの平均的な日本人は、少なからずショックを受けるだろう。自分がそうであったように。
そのうえで小室氏の指摘をどのように受け止めるかは読者の判断であるが、おそらく1996年当時よりも現代の方が共感できる人が多いのではないだろうか?約20年の間に小室氏の指摘の多くが現実の問題となっているからである。とりわけ、日本のマスコミがもたらしている弊害は、SNSの発達により明らかになりつつある。
本書は小室氏の著作の中でも代表作と呼ぶにふさわしい一冊だが、小室氏の著作に免疫のない方には先に「日本人のための憲法原論」を読むことを薦めたい。この2冊をセットで読むとより理解が深まるだろう。
今、本書を人に薦めると安倍政権支持と受け止められるかもしれないが、政治的なイデオロギー抜きにして多くの人に薦めたい一冊である。 -
日本人のための憲法原論を読み、アノミーという概念を知り、もう少し詳しく知りたいと思った。
この本にはより詳しく書かれている。
主張その良し悪しは別として、結論として国に誇りを持てというのは分かるが、その具体的内容は書かれていない。
情報資料としては面白く、憲法原論に続いて付箋も多く貼った。
全体的印象として、今の時代の右側の人達の主張が纏まったものという感じ。事実として異論は無いが、
ここで述べられてはいない著者の具体的解決策は、恐らく引き起こされ得る結果から想像するに、その道は絶対ではなく相対化され、咀嚼消化し止揚されるべきものだろう、と感じる。
著者の意図する具体的解決策はどの本に書いてあるのだろうか。それを知り、それをどう咀嚼し消化するか、が課題かと思った。 -
2018/5
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ストーリー
謝罪外交、自虐教科書、「従軍慰安婦」問題…。日本の行く末は大丈夫か。現下の危機の本質を歴史と社会構造にまでさかのぼり分析し、「日本人にとって今いちばん大切なこと」を考える。 -
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革新の気迫を持ち敢為の精神に富み有能なる者は、新資本家などの資本主義の指導者に蝉抜したのであった。
武士が資本家になった。資本家は武士から供給された。155
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「伝統主義」――ヴェーバー社会学における最も大切な分析法の一つである。160
資本主義だけではない。近代法もリベラル・デモクラシーも、伝統主義を打破しないところにありえないのである。161
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戦訓に学ばない――日本軍に巣食う伝統主義
戦争に勝つ秘訣は、新事実から学ぶ、ということである。171
試行錯誤こそ戦闘の本領である。
錯誤から学んで新試行を行うところに戦勝の要諦がある。172
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日本人は天皇との「絶対契約」を結んだのであった。あとは、キリスト教諸国がやったようにタテの絶対契約(神との契約)をヨコの絶対契約(人間と人間の契約)に転換すればよい。
天皇の人間宣言が出されるに至って、神たる天皇と日本国民の絆は断ち切られることになる。
整いつつあった立憲政治の基盤はどうなる。232
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だから世界中の国は、その国の正統性を教育によって子どもに叩き込む。303
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日本人としての誇りを持って生きる意味を知った。シキタリに縛られて伝統主義を生きる人間も2012年の時点で多く存在するのであろう。反日教育が原因とは断定できないが、急性アノミーの恐ろしさを知った。今後、日本は伝統主義、資本主義、民主主義の崩壊を見る事なるかもしれないと感じた。平成24年でも日本は戦後を生きているという認識が生じた。知のカリスマ小室直樹のDNAに触れるコトが出来る本。しかし、現時点の日本が非常に危機的な状況にあるように変化する(それが現実なのだが)ので気の小さい人には勧めれませんw
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よくできている。
日本が陥ったこの不可思議な歴史感の元凶。
”近代”日本というものの成り立ち。
天皇という制度。
日本に忍び寄る滅亡への足音とは。 -
神田昌典氏の情報系から日下公人氏に興味を持ち、その日下氏の話の中に出てきた人がこの小室氏で、数珠繋ぎで興味を持ち選んだ1冊がこの「日本国民に告ぐ」。
たいそうな題と思いつつも数ある筆者の著書の中で比較的新しかったのと、インパクトに惹かれて読んだけど、これは、日本国民、読むべき1冊だね~~~。
よくまー、複雑なことをこんなにわかりやすく説明してくれるもんだ・・と感心した。
法律のこと、経済のこと、戦争のこと、今の日本人の情けなさの原因は、なんと、ペルー来航まで遡る分析は非常に納得できる面白さである。
そして、新しい著書と思っていたが、実は、10年前に出版されたものが改訂されて去年の年末に出されたものだったようで、そういえば・・、と思い出した。
書店に、ものすごい平積みされてたような?ことを。
しかしあまりにすごい題名に、興味を惹かれつつも、なんだかエラそーな本なんじゃなかろうか?と敬遠していたことを思い出した。
遅ればせながらとはいえ、読めてよかった。 -
『誇りなき国家は滅亡する』
健全なる保守小室直樹氏の日本國論。
靖国問題から日本の外交問題など幅広く扱っている。社会学者宮台真司の師だけあって感情垂れ流しの文章でなく、客観的、学問的に今の日本、日本人に警笛を鳴らす。
かなりの良書。