面白い!
何と言っても読みやすくて、でも他では目にする機会のないくらいの詳しい説明。それこそ漢字の意味から説明があり、自然と納得がいく。
また、読みやすいし、説明が詳しいのでので特に違和感もなくサラサラと読んでしまうが、ふと気がつくと衝撃的な内容(大げさ?)もさらっと読んでしまっている。
聖徳太子や日本書紀の正誤の指摘、名前から漢人か否かの判定、果ては系図の真偽などなど。
まだ読んでる途中ですが、この先読むのが楽しみです。
しかし、いわゆる「中国」という地域の歴史において人口の増減の激しさにはため息が出る。
P179
「むかしの中国の皇帝は、中国だけを支配し、前の王朝の皇帝から禅譲を受ければよかった。それで正統の皇帝の資格ができた。
しかし、フビライ・ハーン以来、中国だけの皇帝では皇帝の資格が十分ではなくなった。フビライ・ハーンはモンゴル帝国の宗主、筆頭のハーンであると同時に、中国皇帝でもあり、チベット仏教の最高の施主でもあり、高麗国王の義理の父でもあった。フビライ・ハーンがこうした東アジア全域の皇帝になったため、漢語の「皇帝」の意味内容が変わって、中国人だけを支配するのでは本斧の皇帝ではない、何よりもまず、モンゴル人たちからハーンと認められなければならない、モンゴル帝国の大ハーンであって初めて本物の中国皇帝だ、とルールが変わった。」
私達は国民国家以前の状態を正しく理解、想像できていない、とも。