建築家の仕事とはどういうものか

著者 :
  • 王国社
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784900456716

作品紹介・あらすじ

東大工学部1号館、彩の国さいたま芸術劇場などの数々の実績、そして長年にわたる大学での教育体験を通じて、建築家にとって根源となる、かたちをつくるとは何なのかを真摯に問いかける。

感想・レビュー・書評

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  • ブックレビュー社
    専門分化に翻弄される現代の「建築家」像を否定,自らの経験に照らしながら、その理想像を模索,提言する 「かたち」をつくりだすことは楽しい。なかでも建築は,人間の営為の舞台となる「空間」の秩序そのものであり,多くの哲学者や作家たちがその魅力を語り継いできた。そして,いまなお多くの若者が「空間を秩序づける人=建築家」になることを夢見て大学の建築学科を目指している。しかし,現実の社会における建築生産の場では「建築家」像の解体が進んでいる。企画,意匠,構造,設備,造園,施工,材料,維持管理…と専門分野は分化し,現代の建築家の姿は,著者が否定してやまない「自分ひとりの願望や苦悩を表現する芸術家」や「過ぎゆく時代の束の間の気分やムードを訴えるデザイナー」と化しているように見える。 建築家で東京大学名誉教授、西洋建築史にも精通した著者は,自らの仕事と研究を振り返り,建築のプロたちが分断化を肯定するニヒリズムや断片主義に陥る姿勢をいさめ,建築を専門として選んだ原点に立ち戻ること,建築家である自負とともに謙虚さと忍耐を知ることを求める。独善的で自己満足の極地のような建築がはびこり「建築をつくる」こと自体に外部から懐疑の目が向けられている昨今,本書は「建築家」の必要性について説得力ある論理を考えるうえでタイムリーな書物と言える。 (ブックレビュー社)(Copyright©2000 ブックレビュー社.All rights reserved.)


    内容(「BOOK」データベースより)
    東大工学部1号館、彩の国さいたま芸術劇場などの数々の実績、そして長年にわたる大学での教育体験を通じて、建築家にとって根源となる、かたちをつくるとは何なのかを真摯に問いかける。

    目次
    かたちがうまれる(建築について
    描くということ
    ディテールのちから ほか)
    ならいつがれるもの(設計とは走ること、講義とは立ちどまること
    建築の根源を問い直す
    つくることと伝えること ほか)
    つどいをつくる(劇場の様式あるいは様式の劇場
    少年の日の風景をたどりながら
    かつてあった「つどい」を明日の「つどい」につなぐ ほか)
    ふたつのすまい(私の都市型住居
    森の中の小さな家
    ひとりになって身体を動かす)

  • 高校の頃に読んだ、初めての建築本。日本の大学の建築教育について書いていた気がする。

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著者プロフィール

東京大学名誉教授、香山壽夫建築研究所所長。
1937年生まれ。1960年東京大学工学部卒業、1966年ペンシルベニア大学美術学部大学院修了(M.Arch)。工学博士。1971年香山アトリエ・環境造形研究所(香山壽夫建築研究所)設立、1975年イェール大学美術史学科客員研究員、1982年ペンシルベニア大学客員教授、1986年東京大学教授、1997年東京大学名誉教授、以降、放送大学客員教授など多数の大学を歴任。 1996年日本建築学会賞、2000年公共建築賞、2002年日本建築学会作品選奨、2005年度日本芸術院賞受賞。著書は『建築家のドローイング』など多数。

「2024年 『建築意匠講義 増補新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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