北海道 化石としての時刻表

著者 :
制作 : 井上 哲 
  • 亜璃西社
2.00
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本棚登録 : 15
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784900541795

作品紹介・あらすじ

過去の鉄道時刻表を紐解く――それは、時間と空間を越える旅。
北海道の時刻表を“化石”に見立て、その鉄路と社会の変遷を過去のダイヤグラムから辿る――。
鉄道と北海道の歴史にまつわるエピソードを軸に、紀行あり、薀蓄あり、感動ありで
時刻表の魅力を余すことなく紹介した、古風な文体と若き感性で綴る時刻表讃歌!

感想・レビュー・書評

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  • 古い時刻表をもとにした記載は大変興味深く読めた。最後の北海道の駅紹介は、読みやすさの点で普通に書いてもらった方が、個人的にはよかったと思います。

  • 1985年生まれの大学院生が書いたこの本。単なる時刻表マニアではない、若いが正確な歴史認識と想像力を兼ね備えた人物による、北海道の鉄道史。
    本人が八戸出身で大学が札幌であったことから、本の最初の章が「津軽海峡越境」で始まるのも嬉しい。文中で触れられるエピソードがまた面白い

    ・最初の北海道:本州の鉄道連絡船が、実は室蘭・青森間に始まったこと。
    明治37年頃にはまだ札幌からの鉄道は室蘭停まり。函館本線の開通までは、鉄道連絡船は室蘭:青森(途中で函館にも寄航)であった。

    ・太平洋戦争中は、軍事機密となった連絡船の運行時刻が時刻表から消えた。
    函館山は明治以降、全山軍事要塞だったので、立ち入りはおろか、詳細の地形図作成も禁じられていた。戦時中は連絡船も「爆撃」の恐れありで、時刻表は掲載不可。著者は東北線・函館線の列車の連絡から、幻の「連絡船」時刻表を推理しているが。

    ・函館始発の超長距離鈍行列車が大正12年、函館・根室間に存在。運行時間なんと29時間!


    などなど、鉄道フリークならずとも楽しくなるような、貴重な話題が満載。

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著者プロフィール

一九八五年、青森県八戸市生まれ。八戸線の沿線に育ち、幼少時より鉄道に親しむ。現在は、北の大地を時刻表片手に旅する毎日。二○○九年三月、北海道大学大学院理学院修了予定。

「2009年 『北海道 化石としての時刻表』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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