- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784901782401
感想・レビュー・書評
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10年前の本ですから、今となっては会社を追われた人、会社をたたんだ人、会社を去った人、リアルの社会で活躍している人等いますが、思ったよりも多くの方が今も社長業を続けているようです。
できる社長のブログ術というよりも、社長ブログを読んでみようといった態の本。
できる社長=IT社長というのも短絡的ですし、数名のインタビュー記事こそあるものの、ほとんどがブログの記事の転載で、あとがき等のまとめ的なものもありません。
ただ、永年の疑問がちょっとは解消したかも。
なぜIT企業は港区とか渋谷区に固まって、社長たちはセレブを装うのか?
いつでもどこでもだれでもネットに繋がることができるのがITの売りで、つまり土地代の安いような田舎に社屋を建てて起業すればいいのに、と思っていたのです。
お互いの顔を見ながら打ち合わせなどをする必要があるのなら、skypeはダメですか?
田舎だと、働きたいと思えないのだそうです。
コンビニが近くにないとか、そういう理由。
やっぱり都会でおいしいものを食べながらの会食の方が、社長と言えどもモチベーションが違うのでしょう。
ネットでおいしいものをお取り寄せして食べながらskypeはダメ…?
さて。
「好きな人たちと仕事をしたい。嫌いな人に好かれたいと思わない。」という当時ライブドア社長の堀江貴文。
「人とのつきあい方が大切。苦手な人とつきあうのは、社会人としてのスキルを上げるためと思えばいい。」という当時エキサイト社長の山村幸広。
できる社長と言えども、いろいろですなあ。
山村氏はこうも言う。
「一方的に流れてくる映像では「想像力」は育たないのである。一枚の絵から想像する世界。その想像力が今、ビジネスでも一番求められているのである。」
あれから10年。ネットから流れてくる映像は格段に増えたけれど、想像力の方はどうなのか?
文章の世界でも、想像するまでもなく読み解けるようなお手軽な作品が増えた気がしますが。
社長がブログを書く理由についてイー・ウーマンの社長佐々木かをりは言う。
「リスクがあっても私がブログを続けるのはまず楽しいこと。分かちあいが好きなこと。それに加えてオープンな「ギブ」の精神です。」
ブロガーだけではなく、コメントを書くことも含めて投稿=「ギブ」であると。
面白かったのは「人間は相手によって言動を変え、異なるアイデンティティの一面を提示する」というアーヴィング・ゴッフマンの分析。
1対1で話しているときの自分というのもいくつもあるが(母として、娘として、友人として、公務員として等)、相手が10人の時、100人の時、10000人の時では見せられる範囲が違ってくる。
ここだけの話を出来る相手。弱みを見せたくない相手。
ブログに記事を書くときにどういう相手を想定していようとも、顔の見えない読み手にはどんな人がいるのかわからない。
断ることは基本できない。
ということは、読者が増えれば増えるだけ守るものが多くなり、内容は薄くなっていってしまうということだ。傾向として。
なるほど。
自分の書きたい記事に対して、どの程度の数の読者が最適かを知っておくのは、大切なことなのね。
逆を言えば、自分の読者数に適した濃度の記事を書くのが、炎上などしないための安全装置ということですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
出てくる社長のブログを
個別で読めば済みます・・・ -
BLOGというメディアを有効に活用するヤツラの言葉たち。