ゴールは偶然の産物ではない~FCバルセロナ流世界最強マネジメント~

  • アチーブメントシュッパン
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784902222807

感想・レビュー・書評

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  • バルサのことがわかり面白い。経営も。

  • サッカーのビジネスに関係する人か、バルセロナの内情を知りたい人には良い本かもしれない。ビジネスに関して学ぶにはサッカー色が強すぎるし(選手の移籍の話が多すぎる)、他の本でも学べることが書いてある。

  • 2003~2008年にFCバルセロナ(以下、バルサ)副会長を務めたフェラン・ソリアーノが記すバルサ復活の一部始終。
    実際のゲームやフィールド上の選手ではなくて、経営・マネジメント面から突っ込んだ異色のサッカー本。
    02/03シーズンにマンチェスター・ユナイテッドの半分しかなかった収益が、07/08シーズンには2.5倍に跳ね上がり、マンUと肩を並べるまでになった。
    魅力的なサッカーを展開しながら経営面でも復活を遂げたバルサ、その秘密とは----?

    冒頭は収益を上げるために何をしたか?に焦点を当てていて、わりかし淡々とケーザイの話をしているんだけど、
    そのうち「勝つためのチーム作り」「リーダーシップ」にまで話が及び、なかなか読みごたえのある一冊になってます。

    「サカつく」好きのビジネスマンはド・ストライクなのでは。

    はっとしたのが、「どの企業経営者も、自分たちの業界は他とは違うと主張する」という一節。
    「特殊な業界である」ということを言い訳にして業績の悪さに甘んじていてはいかんよ、ということなんだろうと思う。
    なるほどね。

  • サッカーのマネタイズから周りへの影響が学べる。

  • サッカーチームのマネジメントは、ビジネスのフレームワークと同じなんだなと実感した。
    型をしっかり学んで、仕事に活かしたい。

  • 元バルセロナのCEOであるフェラン・ソリアーノの書籍。
    長い間、積読としていたが、現在、ペップのスーパーシティの本を読むにあたって、こちらを先に読了しようと思って、重い腰をあげて読み切った。結論から言えば、もっと早くから読めばよかったという感想になる。

    なぜ、先に読むべきかと思ったかと言えば、現在のマンチェスターシティFCのフロントは2003-2008シーズンのそれと同じ構成であるからだ。
    この時期のバルセロナは賛否両論はあると思うが、それまでの不振から脱却し、ロナウジーニョを中心としたスーパーチーム、メッシの台頭による新たなカンテラスターチームの作り変え、ペップの内部昇格により、新たな伝説の幕開けと繋がるタイミングでもあった。
    またビジネス面においてもクラブ史上初の広告スポンサーであるユニセフとの契約も実現している。

    本書では、これらの内幕について、ソリアーノ本人が語っているため、非常に信ぴょう性の高い内容の数々で唸った。
    また、一般的なビジネス書を読んでいるような軽快な語り口が良い。フットボールクラブのCEOは一般ビジネスのそれとは乖離しているようなステレオタイプがあるが、それはビジネスロジックが異なっているだけで、そこまで大きく異ならないのだな。感じる。

    さて、本書ではソリアーノがバルセロナ時代に行なった改革について、かなり多面的に触れている点が魅力だ。
    組織論として見てもかなり秀逸だし、フットボールの世界における交渉術という部分でもロジカルな解説がなされていてよかった。
    また、契約面などの話も興味深い。
    組織論の観点ではリーダーシップの言及がよかった。
    同氏が管轄していた時期はフランク・ライカールトが指揮を取ることが長かったが、そこに関する振り返りは一読の価値がある。

    バルサを退いた後はスパンエア航空の再建を担っていたようだが、いつしかシティの計画に手を貸すようになっていたようだ。私がそれを知ったのはAmazonプライムのAll or Nothingの映像を見ていた時で、ペップのチームが2018年に年間勝ち点100を達成して圧倒的に制覇したシーズンの内幕の影の立役者に彼らがいたことだ。
    彼らとはフェラン・ソリアーノ、そしてチキ・ベギリスタインのことである。
    今、考えてみると、シティは全世界にフランチャイズ戦略をとっている日本だと横浜FMがそうで、ポステコグルーなどが指導にあたっている。
    なんとこのアイデアは本書でソリアーノが触れており、バルサでは実現できなかったアイデアなのである。
    そのため、このあと読むシティの方の書で答え合わせをしていきたい。

    別の文脈では、本書の帯に三木谷さんが賞賛を書いている。
    その後の歴史を考えると、ユニセフのあとのメガスポンサーは楽天であり、それをきっかけにイニエスタがヴィッセルにきたことにも繋がっている。もちろん楽天カードがバルサカードを出した2000年代前半の時から繋がりはあるんだけど、こういう歴史の因果を辿るのも面白い。
    本書の最後の方にはバックトゥザフューチャーに触れている点も、こうした観点にマッチしている。
    非常に楽しめた。満足度星5つ


    ◆目次
    序章 「運」ではない
    第1章 それぞれのフィールド――どんなビジネスで戦っているのか?
    第2章 戦略方法――いかにプレーをするべきか?
    第3章 勝つためのチーム作り
    第4章 リーダーシップ――ハウス医師、フランク・ライカールト、ジョゼップ・グアルディオラ
    第5章 人材の採用と育成、および報酬の在り方
    第6章 交渉の場での理性と感情
    第7章 イノベーション――科学技術と芸術
    終章 バック・トゥ・ザ・フューチャー

  • バルセロナFCの元副会長による、バルセロナの経営について書かれた本。

    今や世界中が認める世界最高のクラブであるバルセロナも数年前までは単なるビッグクラブの一つに過ぎず、経営的な面ではマンチェスターユナイテッドなどに遠く及ばなかった。そこからマンUなどの経営手法を参考に建て直しを図り、急成長してきた。そのエピソードを紹介している。

    経営の本としてもバルセロナの本としての楽しめるが、どちらとしても今一つの内容。

  • 図書館
    挫折

  • 蔵書

  • アメリカのスポーツ界は、競争均衡理論に基づいている。p50
    つまり、観客の関心によって発生する収益は、試合結果の不確実性に比例し、競合するチームの力が近ければ近いほど、試合結果の予測が難しくなる。そして不確実性が一般の関心を呼び、試合が生み出す収益が最大化する。p50
    つまり、①ドラフト制度は、先シーズンの成績不振だった下位チームに有利で、②サラリーキャップ制度によって、クラブの財政的な体力差から引き起こされる優秀な選手の移籍が抑制され、③収益管理によって、テレビの放映権やコマーシャル権などの収益が統括団体によって管理され各クラブに分配される。

    アメリカサッカーに魅力がないから盛り上がらないのか、サッカー好きがいないから盛り上がらないのか。

    ビルバオはユニフォームのスポンサーは知名度の低い地元企業。クラブのポリシーに合致しているp59

    クラブの3つの(成功している)戦略p59
    ①世界的なブランドとなり、リーダーを目指すクラブ。マンUやレアル、バルサなど。スタジアムやマーケティングで稼ぐが、移籍金や人件費が嵩む。
    ②収益を上げながら、自国での優勝を目指すクラブ。リヨンやポルト、アヤックス、セビージャなど。スタジアムやマーケティング収益は微々たるものだが、移籍金で儲ける。
    ③自国のトップディビジョンに属することだけが目的のクラブ。ヌマンシアなど。少ない予算内で経営し、時折選手の売却によって、次のシーズンへの特別資金を獲得する。
    どの戦略をとるにせよ、重要なのは、首尾一貫すること。バレンシアやリーズの失敗からの反省。

    バランスを維持するためには、チームに対しても自分自身に対しても、厳しい要求をしなければならない。ライカールトとグアルディオラの比較。p113

    成功している組織にいる、3タイプ。p115
    ①先見者。熱意と勇気を持つ。大胆かつ実行可能な夢を描く。優れた判断力を持つ。
    ②ノー博士。どうしても必要な時以外は危険を犯そうとせず、戦術を遂行するために指示をする。
    ③実行家。先見者とノー博士が意見を戦わせた後、その決定を受けて、最善の方法を探し、実行する。

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