身体へのまなざし

著者 :
  • すぴか書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (167ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784902630244

作品紹介・あらすじ

こころとからだ、あるいは主観と客観の二分法は科学のための便法に過ぎない。人は心身一如たる身体として生きている。臨床は身体的な営みの場。それを捨象した看護学は不毛である。著者があたためてきた身体への関心を看護学基礎論として世に問う。人の奥深さ、身体の不思議・・・・看護の神髄にふれる思索の集成。日常的思索と研究的達成が一体となって、豊かな知の地平がひらかれる。「私自身のほんとうの関心にしたがうことが、看護学の可能性をひらくことにつながるという確信だけはある。」(著者)
著者は専門とする精神科看護の領域で多くの著書を持ち、患者理解について独自の理論を編み出した(『統合失調症急性期看護マニュアル』2004,改訂版2009,すぴか書房)ことで知られます。また認知症高齢者の生活世界を参加観察研究をもとに活き活きと描き(『認知症の人々が創造する世界』岩波現代文庫)、より広い読者を獲得しています。これまでの著作でも、著者のモチーフは「からだでも、こころでもなく」全体性としての身体(しんたい)にあったと言えます。本書は、長年あたためてきた身体への関心を、「ほんとうの看護学のために」必要な基礎論として位置づけるために、改めて書き下ろされました。看護学が看護実践の学であるなら、患者-看護師の相互関係性を「からだでも、こころでもなく」身体として見据えることが本質的に重要であることが、さまざまなテーマをとおして、また著者自身の体験もまじえて諄々と説かれています。看護学の現状は、看護の神髄を見失う方向に進んではいないでしょうか?そう問いかける警世の書と言えるかもしれません。最終章には、著者による三浦雅士インタビュー(対談)を掲載。

感想・レビュー・書評

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著者プロフィール

長野県看護大学名誉教授
1949年青森県弘前市生まれ。1970年日本赤十字中央女子短期大学卒業。慶応義塾大学通信教育部にて哲学を,弘前大学人文科学研究科にて文化人類学を学ぶ。日本赤十字中央病院,弘前市立病院にて看護師。看護教員,非常勤講師を経て,1993年北海道医療大学看護福祉学部教授。2010年長野県看護大学学長(~2014年)。現在,NPO法人こころ理事長。
著書:『身体へのまなざし;ほんとうの看護学のために』(すぴか書房,2015年),『精神看護という営み;専門性を超えて見えてくること・見えなくなること』(批評社,2008年),『痴呆老人が創造する世界』(岩波書店,2004年/岩波現代文庫では『認知症の人々が創造する世界』に改題,2011年),『回復のプロセスに沿った精神科救急・急性期ケア』(編著,精神看護出版,2011年),『高齢者の妄想;老いの孤独の一側面』(浅野弘毅と共編,批評社,2010年),『人格障害のカルテ〔実践編〕』(犬飼直子と共編,批評社,2007年),ほか。

「2021年 『統合失調症急性期看護学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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