トルネード キャズムを越え、「超成長」を手に入れるマーケティング戦略
- 海と月社 (2011年2月28日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784903212234
感想・レビュー・書評
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マーケティング本として、IT業界に関わるものとして参考になる。キャズムをいかに越えるか、そしてトルネード=大ヒットへ至り、普及へと至るまでの方法、ライフサイクルの各段階でマーケティング戦術を変えるべし。なるほど、スマートフォンも、ソーシャルメディアも、ムーア氏がいうような戦術を取っているように見受けられる。アメリカ的弱肉強食の競争世界を如実に映しているものの、アドバイスは明快だ。そしてなぜ日本企業がトルネードの中で勝者=「ゴリラ」になれず二番手三番手「チンパンジー・サル」になれないのか、マーケティングが下手だからではないか、と考えさせられる。
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トルネード→マーケットの発展段階において、ごく短いあいだに「超成長」をとげる現象。
名著「キャズム」の著者、ジェフリームーア氏による。
ハイテク業界市場における、成長期に特にスポットをあてて解説。
当然、他業界においても応用できる内容である。
テクノロジー・ライフサイクルは、
イノベーター→アーリーアドプター→アーリーマジョリティー→レイトマジョリティー→ラガート
に分類されるが、著書では、導入からレイトマジョリティーが反応しはじめるまでの時期にスポットを当てている。
それらの時期を、
初期市場→キャズム→ボウリングレーン→トルネード→メインストリート→終焉
に分類。
各時期において企業が取るべき戦略は、大きく転換していかなくてはならない。
ボウリングレーン期とトルネード期とメインストリート期では取るべき戦略が全く変わってくるが、各時期の転換点はどこでわかり、どのように転換するのか?
各企業の市場におけるポジション(ゴリラ・チンパンジー・サル)をどう考えるか?
面白いところは、トルネード期には顧客を無視して、増大する需要に対する供給対策とインフラ整備に力を入れて、市場シェアの最大化を目指す。
ボウリングレーン期とは全く逆の戦略に転換しなければならない。そして、メインストリート期に入ったらまた逆の戦略に転換し、顧客のためにさらなる付加価値を提供すべきという点。
さらに、戦略の転換を組織に浸透させるためには、経営者の強力なリーダーシップと柔軟性、従業員との信頼関係が重要になるという点である。 -
キャズムに続く話。顧客のイノベーターやアーリーアダプタの非連続性に気付かされる。働くものとして、どういう能力が求められていくか?ということを特にIT業界の方には学びのある一冊だと思う。
最後の結びが「信頼」であるというのがかなり納得感がある説明につながっていた。 -
ビジネス
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だいたいの市場分析やコンサルの方の話はこの本に書いてあって、これを読むとそういう人たちの力量の片鱗がわかるかもしれません
必読です -
トルネード、ボウリングレーン、メインストリート。戦略的パートナーシップ、競争上の優位性 製品リーダーシップ・オペレーショナルエクセレンス・カスタマーインティマシィ、ポジショニング、組織内のリーダーシップ。
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ハイテク分野のコンサルティングを専門とするジェフリー・ムーア氏の著作。ハイテク製品のライフサイクルの中で成長期に相当する時期にフォーカスし、多数の事例に基づいて事業戦略の要諦を解説している。
本書には示唆に富む指摘が多数含まれているが、実務上で特に重要なのは第6章「自分の立ち位置を正確につかむために」だと思う。ムーア氏はテクノロジー・ライフサイクルというモデル図を議論の前提にしているが、現状の立ち位置については定性的な状況分析から判断可能としている。組織内での共通認識を形成するためには、ライフサイクル・カーブの定量的な分析も有効かと思うが、この点についてムーア氏はどのように考えているのだろうか? -
『トルネード キャズムを越え、「超成長」を手に入れるマーケティング戦略』読了。★4.5(5点満点)
http://www.amazon.co.jp/dp/4903212238
「イノベーションの解」に続いて名著シリーズ(こちらの方が読むのは楽(^^))。
ハイテクマーケティングの名著「キャズム」の続編。
前著がライフサイクルの「キャズム」を超える方法だったのに対し、本書は、キャズム後の各段階
(キャズム→ボーリングレーン→トルネード→メインストリート)
でどんな戦略を取るべきかについて述べています。
前著に比べてもハイテク業界に特化している感じか。
(キャズムはどの業界でも使えると思うが、トルネードの他業界への応用は結構難しそう)
同じ製品でもライフサイクルの各段階での戦略が全く異なるというのが面白い。
(違うどころか正反対。通常の導入期、成長期、成熟期の違いの比ではない)
戦略の内容は非常に明快かつ具体的。しかし、ステージごとにあまりに異なるため実践はかなり大変そう。 -
ライフサイクルイノベーションで、製品という我々の可愛いクリーチャーがどのような群像に生き、その栄衰の中でどのように変化していくかをエコシステムという概念で見事にまとめたジェフリームーアによる。
本書で変化を追いかけるのは、市場。ライフサイクルイノベーションはどちらかといえば投資家に向けて書かれていたのに対し、本書は企業人に向けて書かれていると感じる。
市場は最初一部のアーリーアドプター(オタク?)達によって開発されていき、投資を受けるまでの一定期間、キャズムという谷間に嵌る。その後、複数のユーザーの間で評価され、それが連鎖となってトルネードに乗り、頂点を極め・・やがて衰退していく。書いてて思い浮かぶのは、日本のアイドルコンテンツです。
こうした一連の波を見極めていくには、顧客から目を離さない努力が必要とされる。実は、トルネードのあとには多くのチャンスが転がっている。投資をしなくとも大小のキャズムにはまって忘れられそうになっている技術達である。まさにこれらの落穂を拾ったのは、ジョブズではないか。 -
いまさらながらですが、古典?を読みました。
ハイテク業界における、ライフサイクルに応じた戦略の本。