本物のリーダーとは何か

  • 海と月社
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903212265

感想・レビュー・書評

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  • Managers do things right while leaders do the right thing.

    「マネジャーはものごとを正しく行い、リーダーは正しいことをする。」
    ドラッカーも絶賛したという本書は、上の一文で有名になり、この言葉にひかれて読んでみた。
    ドラッカーにおいては、マネジャーの定義が広く、リーダーやリーダーシップの機能も含ませている。当然、マネジャーがリーダーシップをもち、組織やチームを率いる場合が多い。
    しかし、本書においては、リーダーの役割を明確にするために、マネジャーとリーダーを冒頭の一文のように区別している。
    マネジャーとリーダーの違いを述べた言葉で、これほど端的な表現はないだろう。
    すなわち、マネジャーとは管理者として、ルールにのっとった正しい管理を行うものであり、リーダーは正しい行いのもと、組織をしかるべき方向へ導くものである。
    とくに今の日本のような混乱した状態や、変化が激しく複雑な現代社会にあっては、組織を率いる者に対し、管理能力だけではなくリーダー的資質が何よりも求められている。

    著者たちは、成功した90人のリーダーにインタビューを実施し、その実例とともにリーダーに必要な要件を明らかにしている。
    そのリーダーに求められるものとして、本書が提示するものは次の4点。

    1.人を引きつけるビジョンを描くこと
    2.あらゆる方法で「意味」を伝えること
    3.「ポジショニング」で信頼を勝ち取ること
    4.自己を創造的に活かすこと

    この4点をドラッカー流に翻訳すると、
    1.組織のミッションを明らかにする
    2.組織のミッションや価値観を共有化する
    3.マネジャー・リーダーとして真摯さを体現する
    4.強みに着目し、成果に結び付ける
    といったところか。


    両者において共通する点は、やはり人の力に着目しているところだ。
    本書における管理者としてのマネジャーは、権限を行使して命令する。
    しかし、よきリーダーは権限を与え(エンパワーメント)人の力を引き出し、成果をあげる。
    組織がまっとうに機能しないのは、組織内におけるリーダーとフォロワーの関係性の不全であり、正しいリーダーシップと、両者の信頼関係がなければ期待すべき成果は望めない。
    マネジメントも、リーダーシップも、行きつくところは「人」である。

  • 2024/02/24読破 

    一言 
     「リーダー」と「マネージャー」の違いと、リーダーシップの発揮について学べる


    リーダーは、組織の精神的資源(価値観、やる気、コミットメント)を活用し
    マネージャーは、組織の物理的資源(資本、技能、原料、テクノロジー)を活用し、更に(仕事の質、スケジュール、生産性、効率)するもの。

    感想 
     リーダーとマネージャーは違う。皆が持っているリーダーシップの発揮する為のマインドや手段が羅列されておりました。組織としての在り方もありましたが、自分には規模が大きく理解困難でした。



    下記は印象に残った点

    幹部の7つの評価指標
    実務能力、対人能力、思考力、過去の実績、分別、判断力、人格

    組織における必要な5F要素
    「焦点の明確さ(focused)」
    「柔軟性(flexible)」
    「反応の速さ(fast)」
    「友好性(frindly)」
    「楽しさ(fun)」

    p66
    創造的であるためには「問題の発見」が必要

    p82
    リーダーシップが本来、人間的な営みがあることをはっきりと伝えている。
    p213
    リーダーに必要な能力
    ①不確実性を認め、共有する能力
    ②間違いを受け入れ、活かす能力
    ③未来を見据えて、行動する能力
    ④円滑な人間関係を構築する能力
    ⑤自分を知る能力


    p90
    肯定的自己観を持つリーダーや、コーチは「自分の力を無条件に信頼している」と納得するまでは批判をせず、信頼を得た後に、「君のしていることは99%素晴らしいが、残りの1%が状況を変えてしまうかもしれない、この点に取り組もう」と伝える。

    肯定的自己観とは
    ①私も正しい、あなたも正しい
    ②過去に囚われず、今を出発点とする
    ③親しい人にも礼儀正しく接する
    ④リスクが大きくても相手を信用する能力
    ⑤他者の賛同がなくても行動できる能力

    スタッフにパワーを与える為には
    「意義」を持たせて、「能力」を鍛える
    「家族」を大切にし、「喜び」という感覚を鍛える。


    リーダーは組織の精神的資源(価値観、やる気、コミットメント)を活用し
    マネージャーは組織の物理的資源(資本、技能、原料、テクノロジー)を活用し、更に(仕事の質、スケジュール、生産性、効率)

  • キーワードとして、意思、ビジョンな気がしました。自分はここを目指していくんだという方向性と、そこに対する自分の意思をもつことからはじめようと思います。

    ◼メモ
    ・マネージャーはものごとを正しく行い、リーダーは正しいことをする
    ・強い意思が献身的な努力と組み合わさったとき、それは人を引きつける磁石と化す
    ・この世に粘り強さに代わるものはない。
    ・粘り強さと決意、それだけがすべてに打ち勝つ
    ・リーダーは服を着たようにビジョンをまとう
    ・リーダーの真の報酬、彼らが本当に価値を見出すのは冒険や遊びの感覚だ。
    ・リーダーシップはエンパワメント(人々に力や権限を与えること)

  • 90名のリーダーに対する調査からその実態に迫る研究結果。そのまとめた内容は、EMPを通してリーダーシップを学んでいる現在においては納得する内容となっている。

  • 2021/10/17

    リーダーシップは組織のソフト資源(価値観、コミットメント、やる気など)を組織運営に活用する。マネジメントは組織のハード資源(資本、スキル、テクノロジーなど)を組織運営に活用する。

    この一文にリーダーシップとは何かが集約されている。

  • メモ
    ・ビジョンと判断に基づく行動をする
    ・ひとつの方向を選び、それを合理的な範囲で貫くこと
     (合理的=周囲の賛同を得られる限り)
    ・綱を渡ることよりも、落ちないことに全力を注いだ時点で
     失敗する運命にあった
    ・リーダーが信頼されるには
     ビジョンが明確で魅力的であることと同時に
     ポジショニングについても明確であること

  • 本物のリーダーとは?
    人を感化し、方向や進路、行動、意見などを
    導く人。

    なぜリーダーが必要なのか?
    ビジョンを伝えることで「自分にはすべきことをする力がある」という自信を人々に与えるとともに、組織を理解し、組織が機能する仕組み=社会構造をつくるためにリーダーが必要。

    真のリーダーになるためにどうすればいいか?
    ①人を引きつけるビジョンを描く
    ②ものごとの意味を伝える
    ③ポジショニングで信頼を勝ち取る
    ④人から、経験から学ぶ

    リーダーにとって必要なことを90人のリーダーを研究した結果をもとにひとつひとつ教えてくれる本。1回読んだだけでは深く理解ができないので繰り返し読むべきだと思った。まずはエステティシャンとしての自分自身のビジョンを明確にして伝えていくことで人を引きつける、自信を与えられる、活力を与えられるリーダーになっていきたい。

  • P251 リーダがマネージャーに期待するのは、主に収支に基づいて組織を「運営」することだ。これに対して、リーダーの一番の関心事は、長く反映する組織を「構築」することにある。

  • 『こうしてリーダーは作られる』より何倍も良い内容
    全部の内容がMgr研修に使えそう。

    箇条書きにてメモ

    ■パワーとリーダーシップ(p.38):
    ・これらは互換関係にある。「パワー」とは、行動をおこし、それを「持続」させるためのエネルギー。リーダーシップとは、そのパワーを有益な方法で使うこと

    ■人の「管理」はやめるべし(p.43):
    ・管理されたい人はいない。人は「率いてほしい」のである
    ・人の「管理」はやめるべし(p.43):世界的リーダーはいるが、世界的マネジャーはいない
    ・人の「管理」はやめるべし(p.43):勝つためにはむちではなく、常にニンジンだ

    ■リーダーとフォロワーをつなぐもの(p.53):
    ・それは「リーダーシップ」である。これは「心をフサブル精妙なエネルギーの交換」の上に成り立つ関係であり、無理に引っ張るものではない

    ■批判への対応方法(P97)
    ・妥当な失敗に対して「怒り」で応じてはならない。感情にとらわれると、人は何も学べない(スピノザ)
    ・批判への対応方法(P97):王檄を受け入れるとは、同意することではなく「相手が自分を攻撃することを許す」ということ

    ■Managaされる組織とLeadされる組織(p.242)
    ・大抵の組織は「Manage」されているだけで「Lead」されているわけではない。この仕事をすればこれだけの報酬を与える、などと言われるが、そこで交換されるものは仕事、金、その保証・・・良くて従順。悪ければ悪意溢れる服従である
    ・マネジメントは服従(自分は歯車の一つ)を伴う ←→ リーダーシップはエンパワーメント(自分が物事を動かしているという誇りの文化)を伴う
    ・リーダーとは、人や環境に力を与え、その人たちが価値や力を発揮できる土壌を整えることのできる人である(奥村)

  • 【阿南】肯定的自己観、ワレンダ要因、心の知恵。
    リーダーシップを学ぶための登竜門的1冊です。
    リーダーシップは誰でも習得可能で、勇気づけ(エンパワーメント)やベクトル合わせ(ビジョン)等、立場や役割に関わらず、貢献を高めるのに役立つ知識を得られると思います。
    寺子屋では、このマトリクスで自分がどこにいて、良い点・改善したい点はどこか、素直に語り合い、新しい課題発見の手助けになりました。

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