家を失う人々 最貧困地区で生活した社会学者、1年余の記録

  • 海と月社
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  • Amazon.co.jp ・本 (566ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903212821

作品紹介・あらすじ

貧困問題の解決に鋭く切り込む世界的名著法外な家賃に厳しい取り立て──これでも〝自己責任〟なのか?★ピューリッツァー賞など13の賞を受賞!★TIME誌「2010年代ノンフィクション ベスト10」選出 !★全米70万部 。欧州、アジア各国でも刊行!★ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー!────────────つくろい東京ファンド代表理事 /ビッグイシュー基金共同代表稲葉 剛氏推薦!!「スラムはおいしい」 貧困層をさらなる困難へと 追いやるプロセスを赤裸々に記録し、 「搾取と強欲な市場」を暴き出す本書は「住まいの貧困」の拡大が止まらない 日本でも必読の書だ。────────────プリンストン大学の社会学者であり、マッカーサーの 「天才賞」にも輝いたマシュー・デスモンドは、本書において、ミルウォーキーの8つの家族を中心に、彼らが屋根を守るために奮闘する姿を追っている。「身が引き裂かれるようで啓示的」(ネイション誌)、「鮮明で不安にさせる」(ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス誌)──と称賛されたこの本は、〝貧困〟と〝搾取〟に対する私たちの理解を一変させると同時に、21世紀のアメリカで最も悲惨な問題のひとつを解決するための斬新なアイデアをも提供する。そして、忘れがたい希望と喪失のシーンは、人間にとって、「家」がいかに重要かを改めて教えてくれる。【本書に寄せられた賛辞】アメリカの極貧層について、のぞき趣味や善悪の判断をまじえず細部まで描きだしてくれて、ありがとう。複雑な政治問題でも簡潔で美しい散文で綴れることを示してくれて、ありがとう。不平等に関する論争に、ありのままの現状を提供してくれて、ありがとう。住まいを確保するのに辛酸を舐めるのは、貧困の「特徴」ではなく「原因」であると証明してくれて、ありがとう。これを読んで心をわしづかみにされない人はいないだろう。 ── ワシントン・ポスト社会正義に関する書籍の最高峰。 ── アン・パチェット(『ベル・カント』著者)著者の調査力には脱帽するしかないが、さらに驚異的なのは、あらゆる調査結果やデータや見解を、読者の心を揺さぶり、先を読まずにはいられないほど魅力的なノンフィクションへ昇華させたという事実である。── シカゴ・レビュー・オブ・ブックスなんとか生活を立て直したいと切望する家族たちの姿を描き、「正しい行動を起こしてほしい」と読者に訴えかける本書には、風格があって胸を揺さぶられる。ここに登場する人たちは、子どもをお風呂にいれてあげたい、自分のキッチンで調理をしたい、寒さや危険から身を守る窓やドア、わが家と呼べる場所がほしい、とただそれだけを願っている。── ソジャーナ

感想・レビュー・書評

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  • 社会学者マシュー・デスモンド「適正な貧困率はゼロ。私たちはそれを実現することができる」 | 富裕層は貧困層から恩恵を受けている | クーリエ・ジャポン(2023.4.8 会員限定)
    https://courrier.jp/news/archives/321759/

    家を失う人々 - 有限会社 海と月社
    http://www.umitotsuki.co.jp/book/b636665.html

  • アメリカの最貧困層の生活を間近で取材したノンフィクション。ピューリッツァー賞をはじめ、数々の賞を受賞

  • 膨大な注釈がまた読み応えがある。
    「家」の持つ意味を思い知らされる。
    フィールドワークに基くエピソードが生々しくリアル。
    米国の弱者搾取ビジネスのえげつなさ。

  • 最貧困層の8家族を通して、本のタイトルにあるように2008年ミルウォーキーを舞台に家を失う人々を紹介している。家賃は年々上昇し彼らの4人に1人が収入の70%以上を家賃、光熱費に取られ払えない人は家賃滞納、そして突然家主から強制退去を言い渡される。ホームレスのシェルターに行くもの、路頭に迷うもの、部屋が見つかってもスラム街の治安が悪いところだったりする。次探す新しい住まいも審査基準が厳しかったりするため益々行き場が無い。'スラムができるのは、住民の願望ではない。そうした社会構造があるからだ。' P.379の記述は、スラムの内側からの視点で今回調査した著者は述べている。フードスタンプでいくら、公的扶助でいくら1ヶ月受け取っている等、日本円で記載もあり
    翻訳者の丁寧さが伝わってきます。2000年代に入ってもいまだにこのような貧困問題があるというのは何か解決できない根深いものがあるような気がします。

  • 配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。
    https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01427541

  • 執筆の裏話まで読み終えて、これはエスノグラフィーの類稀なる教科書だと思った。UX開発の文脈でよく耳にするエスノグラフィー、ここまで実践できるならパワポで仮説を語る必要なんかないな。

  • アメリカの闇の部分

  • 貧困や強制退去等、生々しい話でしたが、自分の無知さを痛感しました。

  • 希望を持ち続けられるようなつよい人間に、自分もなりたいです。
    自助努力ではどうしようもない立場にいてさらに搾取されて、これが自己責任では片付けられないと……家賃、べらぼうに高いし…驚きの世界でした。

  • 朝日新聞20224113掲載 評者:藤田結子(東京大学大学院情報学環学際情報学府准教授、メディア、人種、ジェンダー、他)
    毎日新聞2024120掲載 評者:武田砂鉄(ライター、ラジオパーソナリティー)

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