湯浅泰雄全集 16

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  • ビイング・ネット・プレス
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  • Amazon.co.jp ・本 (700ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904117675

作品紹介・あらすじ

『気』の研究がもたらす歴史的意義を考察する全17編を集録。

感想・レビュー・書評

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  • 『「気」とは何か―人体が発するエネルギー』(1991年、NHKブックス)や『共時性の宇宙観―時間・生命・自然』(1995年、人文書院)が収録されています。

    著者は和辻哲郎のもとで日本思想史を学んだ研究者ですが、とくに西洋と東洋の思考様式の比較のテーマに手を染め、ユング心理学への傾倒を経て、ニュー・サイエンスなどに接近するようになっていきました。本巻とつづく17巻では、こうしたテーマにかんする著作や論文がまとめられています。

    とくに『「気」とは何か』では、実証的な観点からなされた「気」についての研究状況の報告が多く含まれていますが、著者はそうした研究成果に対して一定の評価をしつつも、「気」についての研究は従来の自然科学の枠組みを越え出るようなインパクトを有しているはずだと考えています。そうした立場から、とくに近代以降の西洋の思考方式を相対化し、知のありかたそのものに対する新しい展望を切り開こうとしています。『共時性の宇宙観』でも、ユング心理学における「共時性」の概念を中心に、ユングと超心理学の研究者であるラインや、物理学者のパウルとの交流、あるいは中国思想における「易」についても、考察をおこなっています。

    「気」についての自然科学的研究にかんしては、どれほど実証性のあるものなのかわたくし自身には判断がつかないのですが、西洋の学問の依って立つ枠組みについての批判はしばしば目にする定型的なもので、個人的には「気」やニュー・サイエンスについての関心を喚起されるようなものではありませんでした。

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著者プロフィール

925年福岡生まれ。東京大学文学部、経済学部卒。東京大学文学部助手を経て、山梨大学教授、大阪大学教授、筑波大学教授、桜美林大学教授を歴任。79年度インドネシア大学客員教授、87年、北京日本学センター客員教授。91年人体科学会を創設。主な著書に『近代日本の哲学と実在思想』『日本人の宗教意識』『ユングとキリスト教』『身体論』など多数。

「2013年 『湯浅泰雄全集 補巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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