この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議(DIALOGUE BOOKS)

  • スモール出版
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784905158523

作品紹介・あらすじ

文房具は楽しい! 文房具を語るのはもっと楽しい!!
日本唯一の文房具トーク・ユニット「ブング・ジャム」が、日本の文房具史の中でも特に重要なこの10年の「いちばん重要な文房具」を決定!! はたして、その結果とは!?

消耗品の域を超え、多くのファンが愛でる「カルチャー」となった文房具。この「文房具ブーム」は一体どのように始まり、広がっていったのか?
ジェットストリーム、フリクションボール、mt、フィットカットカーブ、クルトガ、オレンズ、デルガード、カドケシ……革命的な商品が続々と登場したこの10年間の文房具シーンを、ワイワイガヤガヤ徹底討論! 文房具は語れるカルチャーだ!!

巻頭フルカラー「2007~2017年 文房具年表」付き

感想・レビュー・書評

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  • 文具好きの方々が対談形式でここ10年の文具の歴史を振り返る。

    トラベラーズノート(2006)
    ジェットストリーム(2006)
    フリクションボール(2007)
    クルトガ(2008)

    と筆記具大爆発と表現されている時代(2006~2008)がやはりすごい。
    ここでその後の筆記用具の道のりが決められたのでは。

    その後、

    2010年『すごい文房具』誌ヒット
    Youtuberによる文具紹介が小中学生へ人気に。

    2014年から文房具のブログが急増。
    文具ソムリエ、文具小学生が発生

    2016年からは文房具が「趣味」が定着。
    文房具マニアが多数発生。

    とのこと。
    全く知らなかった!

    自分が気になったのは
    ・トラベラーズノート
    ・コーネルメソッドノート
    ・スイングロジカルノート
    ・filofax
    ・プロパスウインドウ
    ・フィットカットカーブ
    ・mt
    です。

  • 2018年に刊行された日本文具史、兼、日本文具批評本。Jetstream (三菱鉛筆 2006) と Frixion (PILOT 2007) の二つがいかに重要だったかという結論が述べられるが、ほかにも百数十の文房具に関する言及が出てきて、文具産業のブームを振り返る役にたった。
    一方、この本を読み終えたのは2024年初頭だが、2018-2023の間にまたボールペン中心に様々な革命が起きており、ここに書かれた内容にはアップデートが必要かもしれない。

  • 『#この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』

    ほぼ日書評 Day488

    文房具屋歩きが好きだ。正確には好きだった。Amazon時代になって、本屋も文房具屋も、すっかり足が遠のいた。

    「この10年で」とあるが、本書で扱われているのは、2000年頃、レガシー的なものはもっと前のデビューの商品にも言及されている。
    カドケシ、ドクターグリップ、フリクション、懐かしいところから、今も自身、現役バリバリで使っているものまで、盛りだくさんだ。

    ところが、どうやら2010年頃から、知らない商品が増え始める。

    冒頭にも記した通り、感度が下がったのだろう。(パーカーが出した第五のペン)インジュニュイティなんてのは初めて聞いた。いつでも尖った芯が出るシャープペン、クルトガは存在は知っているが、使ったことはない。
    片手でセロハンテープが貼れるハリトガというのは凄そうだ。見た目は修正テープ貼りみたいなのだが、これでセロテープを切る仕組みまで付いていると。文中にもあるが、えらくコスパの悪い投資。

    何度も読み返す類の本ではないかもしれないが、読んで楽しい一冊である。

    ※六本木ミッドタウンタワー5Fのライブラリーにて。

    https://amzn.to/3mF4uwb

  • ☆フリクションボールとジェットストリーム

  • 消費物からカルチャー(文化)へ。その想いを綴ったあとがきが素晴らしい。音楽も映画もマンガもゲームも、誰かが「それ」を後押ししたことで現在の地位がある。

    大学に『文具学科』ができる日も近いのではないか(それは無いか)。

    -----------

    ・文房具がカルチャー化した要素の1つとして、「カスタマイズ」は外せないものであった。

    ・新作が大爆発した後には、完全新作ではなくても自分たちが持っている技術を「もう一回リデザインする、研ぎすませて一段ステージを上げる」という方向で、自分たちの持っているブランドとしての強みを仕上げるフェーズも存在する。


    ・ 1つのジャンルの製品が周知されるには、同ジャンルの製品がたくさん広まり、一気に認知されることも重要である。

    ➡︎ 例えば地域や商店街、エリアのようなところでも、同一ジャンルや同系統のお店が重なることで活性化することがありそうだと思う。

    ・メーカーから与えられるままではなくて、自分で考えて1本を作るといったスタイルフィットなどの文房具は、使え手に能動性を求める商品だった。この手のカスタム製品は、文房具等に対するリテラシーをものすごく引き上げた可能性がある。

    ・特許とはみんなが使えるように秘密を公開すると言う性質のものである。その代わりに使った人からお金もらうと言う、「技術を公開する」ためのものである。秘密を守るためではなくて、広めるための法律である。

    だからどうしても秘密にしたい場合は、逆に特許を取らず隠してしまうという戦略もある。

    ・手帳ブームの一因は「人に見せるためのカスタマイズ」の要素が入ってきたことも大きい。

    ・メディアに乗るときは、形や見た目の面白さとともに、それを「何と言うか」が重要になる。例えば「クルトガエンジン」「パイプスライド機構」「オレンズシステム」など、意味は分からないけどかっこいい名前がついている。

    これらは厨二病・必殺技の名前的なものであるが、「声に出してしゃべる」ことができる。ここが重要。

    ・デジタル対アナログの構図。デジタル軍から攻めてきたスマホと言う黒船。それに対して「出島」として間を取るために作られたのがショットノート。

    もう一方で、大砲を作って迎え撃つと言う見立てになるのが高品質な手書き関連の製品(万年筆や呼高級ノート)。

    ➡︎驚異的な勢力に対する一時的な対応策として提案する「出島」という考えかたは、他でも応用が効きそう。

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著者プロフィール

“文具王”高畑正幸・きだてたく・他故壁氏の3人からなる文房具トーク・ユニット。結成は2007年。2007年に文房具のトークライブ「セタガヤ・ブングジャム#1」を開催。以降も会場を変えながら、大人気のシリーズイベントとなる。
TV・雑誌・ラジオやWEBなどメディアにも多数出演。ブング・ジャム名義の著書に『筆箱採集帳 増補・新装版』(廣済堂出版)、Kindle版電子書籍『ブング・ジャムの文具放談』シリーズ(ステイショナー)などがある。


高畑正幸(たかばたけ・まさゆき)
1974年生まれ。文房具ライター。『TVチャンピオン』(テレビ東京系)の「全国文房具通選手権」に出場し、3連続優勝を達成。“文具王”の座につく。商品企画、講演、実演販売、執筆などで活動中。
著書に『究極の文房具カタログ』(河出書房新社)、『究極の文房具ハック-身近な道具とデジタルツールで仕事力を上げる』(河出書房新社)、『文具王 高畑正幸の最強アイテム完全批評』(日経BP社)などがある。

きだて たく
1973年生まれ。ライター・デザイナー・色物文具愛好家。「色物文具=イロブン」の第一人者であり、サイト「イロブン」主宰。雑誌、WEBなどで文房具ライターとして活躍。「駄目な文房具ナイト」をはじめ、文具イベントなども主催。
著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)、『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)などがある。

他故壁氏(たこ・かべうじ)
1966年生まれ。文房具ユーザー。膨大な商品知識を持つ、実践派文房具マニア。

「2018年 『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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