テレビドラマクロニクル 1990→2020

著者 :
  • PLANETS / 第二次惑星開発委員会
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784905325178

感想・レビュー・書評

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  • 主に野島伸司・堤幸彦・宮藤官九郎が手掛けた作品を中心として、90年代~00年代~10年代~(コロナ初期)という時代の流れと共に、多種多様な作品を読み解いていく年代記。読み応え十分で、定期的に読み返したい。コロナ渦に生まれた作品群の批評もいつか本にしてほしい。著者の手厳しい批評も愛情の裏返し。『いだてん』批評でどこか後ろ暗い気持ちで終わらせず、ドラマ『映像研』批評を締めに持ってきて、「最強の世界」の追求という希望的指針を提示してくれたことに、著者のドラマ愛が伝わる。のんという稀有な存在もまた希望か。

  • 本著を出版したPLANETSを牽引する宇野常寛さんの「ゼロ年代の想像力」を読んだ時、私は思った。

    「カルチャーとは良くも悪くも時代を反映したもので、一定層の支持を得てトレンドとなる作品は、
    多かれ少なかれ世間の一定数の人々の欲望を満たす要素を持っているんだ」と。
    そして本著を読んで改めてそれを感じることとなった。

    90年代以降のドラマを批評し総括する試み。
    トピックスとして重要なドラマについて描かれているのは勿論、その背景にある時代の空気、時代によって生まれる作り手の想像力についても、様々な視点から考察されている。文化批評としてもとても、とても面白かった。

    野島伸司、堤幸彦、宮藤官九郎。
    どれも聞いたこと、あるいは観たことのある作品ばかりで、特に宮藤官九郎(クドカン)は私も大好きな作家なので、私の「面白い」「この作品好き」と感じたその面白さの要素が言語化されて(私はうまく言語化できないことも多いので)、カタルシスを感じることも多かった。

    未視聴のもので観てみたい作品や、視聴済みで見返したくなった作品も多数。
    (とりあえず、途中で止まってしまった「いだてん」と、冷めた気持ちでキャスティングをみていた「映像研には手を出すな」は近々観たい。)

    いやードラマって面白い。
    そして変化し続ける世の中でドラマや映像コンテンツが今後どう変わっていくのか、私なりの考察をしながら見守っていきたい。

  • メモ

  • 読売新聞2021620掲載

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著者プロフィール

1976年生まれ。ライター、ドラマ評論家。単著に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社)。

「2013年 『キャラクタードラマの誕生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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