- Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
- / ISBN・EAN: 9784905821236
作品紹介・あらすじ
荒れ狂う洪水の波に愛する人を奪われて、ついに狂気の人となった男は、人工都市の創造者として君臨する青銅の騎士像との対決に向かっていった…。幻想の都ペテルブルグが生みだした数々の物語の原点となった詩劇『青銅の騎士』と、モーツァルト毒殺説やドン・フアン伝説の逸話を見事に凝縮させながらヨーロッパをかけめぐる「小さな悲劇」四編を本邦初の組み合わせにして、全集翻訳以来30年ぶりに新訳。
感想・レビュー・書評
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お話としては普通に面白い.
プーシキンなのでロシア語で読めばとても美しいのだろう.言語の壁は厚い.詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
プーシキンの戯曲集。
「小さな悲劇」には元ネタがあるので、すでにどこかで目にした気がするものが多かったが、簡潔でリズムのある文章は素晴らしい。
表題の「青銅の騎士」は、運命を征服した男と、運命に翻弄された男との対比がいかにも悲劇的で、簡潔で力強い文体とも合間ってまるで神話のような印象を与える。
ペテルブルグという街のイメージを鮮烈に伝える素晴らしい作品だと思う。
図書館にて。 -
ロシア文学が読みたい気分だったので手にとってみた1冊。プーシキンの小説は以前読んだ事があったのですが、戯曲は初めて。もともと戯曲はあまり読まないのですが、この「小さな悲劇」はその名の通り1つ1つが短く簡潔で、とても読みやすかった。「青銅の騎士」は物語詩。”詩”というとつい堅苦しく考えがちですが、こちらもやはり(訳のおかげでしょうか?)非常に読みやすかったです。巻末には、作品理解を深めるための「サンクト・ペテルブルグについて」が収録されていて、この街の歴史等がおおまかに説明されています。親切。