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- Amazon.co.jp ・本 (101ページ)
- / ISBN・EAN: 9784906388585
感想・レビュー・書評
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わずか101ペ-ジの薄い小冊子であるが、その内容はきわめてクリティカルなイッシュ-が取り扱われたものであり、丸山真男の思想像をめぐる問題に微妙な一石が投じられた議論となっている。それは、戦争責任問題、政治学の党派性問題に続く、石田雄による第三の「"丸山真男批判"への批判」の問題提起なのであるが、第一、第二の問題とは比較にならないほど重い。その結論は「丸山真男の思想のなかには市民社会の概念はない」というものである。そして、丸山真男の思想内部における市民社会概念の不在を通じて「国民主義者・丸山真男」の思想像を打ち消すべく、『歴史意識の「古層」』の日本論に対して否定的なアプロ-チが試みられている。客席にいた住谷一彦が討論に参加している部分も非常に興味深い。読者は果たしてこれをどう読むべきなのだろうか。別に上げた『丸山真男における「国民主義」の問題について』『姜尚中の歴史認識と丸山真男批判の陥穽』も、ご参照を賜りたい。
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