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- Amazon.co.jp ・本 (111ページ)
- / ISBN・EAN: 9784906549047
感想・レビュー・書評
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海洋汚染などの人災によって被害を受けたペンギンはじめ海鳥を救出するには、非常に多くの条件が必要。この本を読んで、それがわかりました。
たとえば
・重油汚染への対策を知っており、現場経験のある専門家がいること
・専門家たちの連絡網と、指示系統が緊密であり、しかも即時に情報が共有されること
・ペンギンの行動や生態、健康管理についての情報がそれまでに蓄積されていること
・献身的かつ治療経験の豊富な獣医師が、救護に参加すること
・ペンギンの扱いや給餌に慣れた飼育員が救護に参加すること
・溢れかえるボランティア有志を効率的に管理して、現場の作業が滞りなく流れるよう指示すること
・莫大な経費を支援されること
・鳥類を安全に搬送するため、有効な知識があること
・救護活動のための広大な場所や施設があること
・24時間体制で続く救護活動はつらい作業でもある。疲れた人々を満たす、おいしい食事が供給されること
・野生ペンギンは鋭い嘴と爪、強力な翼をもっている。救護の際に人がけがすることも多々ある。だから、人間のための医師もスタンバイしていること
・諦めない不屈の精神があること
・一般の人々から正しく注目されていること
……など。
こういった多くの要素が無駄なく機能してはじめて、レスキューが成功します。
レスキュー後には、事故を繰り返さないための法の整備や、規則の制定、監視体制の強化…といった課題もたくさん残ります。
過去の成功例を、単なる感動物語に終わらせてしまってはいけないのです。
学ぶことは多くあり、この本のように記録してくれた資料は貴重です。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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