教養力 心を支え、背骨になる力

著者 :
  • さくら舎
3.54
  • (10)
  • (24)
  • (23)
  • (7)
  • (1)
本棚登録 : 246
感想 : 26
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784906732722

作品紹介・あらすじ

人生のさまざまな選択と判断において幅広い教養がかかわっている。
教養は、日々変化する現代にあって非常に大切なもの。教養は心を支える力である。心が折れやすくなっている現代だからこそ、よりいっそう、心を支えてくれるものとしての教養が必要なのだ。教養は心の免疫力を高める。ビジネスの世界でも教養は大きな力になる。
そして、誰にでも教養を身に付ける方法がある。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「あなたの中に偉人は何人いますか?」

    自分の中に偉大な人たちの思考をインストールしたいと思って、読書をしている人にはいいかもしれないです。

    読書はコスパ最強の勉強法だなって改めて思いました。

    「あなたの中に偉人は何人いますか?」

  • 今まで、色々な教養を薦める本を読みました。
    この本が一番しっくりくる本でした。

  • 人間の厚みは文化の厚みによってできる。
    それを構成するのが教養で、教養とは古今東西年代問わずの知識であり、役に立つにかかわらずに身につけるべきもの。
    最近のコミュニケーションは、自分と同じ立場の人間と関わる水平的なものが多い、垂直なコミュニケーションが大事という言葉が印象的だった。
    偉人の言葉を知り、心に偉人を宿らせることが大切らしい。

  • 教養とは
    好奇心と向上心を忘れず
    様々なことに興味を持ち
    心から感動して生きていくこと

  • 本をたくさん読んで、もっと知識に触れたいと思った。多くのことを知ることで、もっと視野が広がり、自分の世界も広がると思った。勉強したいと思わせてくれた1冊

  •  日本人の教養についての興味関心が戦後から下降線を辿っている。確かに日常で教養を求められることはないから、身に着ける必要性も感じない。むしろ教養をひけらかそうものなら、鼻に付くやつだと見做されかねない。
     現在持て囃されているのは手軽で理解しやすいPOPカルチャーだ。しかしそれだけではどうも寂しい気がする。ドストエフスキーの小説など確かに簡単ではないが、作品から溢れるエネルギー、読み切ったときの達成感はライトノベルでは味わえない。教養とは堅苦しいものではなく、人生をより面白いものにするツールなのだ。それは本だけでなく、音楽や美術などでも本物に触れたときに感動できるように教養を身に着けたい。「アニメも好きだけど、クラシックも絵画も好き」というようにアンテナをたくさん張れるようになりたい。

  • 3色ボールペンの斎藤さん、教養は大事で、その教養ってこの頃よわってるよね。本をしっかり読まないといけないねといった内容。
    ご本人の著作いろいろ引用されている。でも、今回の斎藤さんの本はイマイチかと、、、

    教養の深さが、プロを支える、なんて感じの下りもあるが、それは教養ではなく専門知識でしょう。きゃりーぱみゅぱみゅは、日本文化か?的なことも書かれていたが、これも同意しかねる。禅や水墨画、茶が日本的とか、色だけのイメージか?
    京都の、着物、和菓子、漬物、色使いは極めて、きゃりーぱみゅぱみゅ的なカワイイ色。
    それはそれとしても、内容がまとまりなく、思いついた文が並んでる感じのエッセイ。

  • 「教養なんてそこまで知らなくてもよくない?」と思っていたことが恥ずかしく感じた。そうとしか思えない自分の世界の小ささを知らないだけだった。そして、世界を広く知るためだけではなく、世界を広く知ることがいかに自分の中の力になるかがよく分かった。

  • 教養とは何か、自分で考えて答えを出さないとみにならない。ただし、学校教育で、教養力の基礎を築くことは早道だと思う。そこまで意識してなかなか取り組めないのだが。。。

  • 西洋では聖書、日本では論語。教養は心の指針となり、心の免疫力になる。

    シェークスピアのマクベスを読んだ人なら、ズルしてでもお金を設ける話が出た時、王を殺して王になったマクベスが、その王の亡霊に悩まされ滅びたことを知っているので、的確な判断ができるでしょう。

    古典や名作には難解な部分があるが、退屈さを乗り越えて以前はわからなかったけど、わかってみるといい、となる。お酒、音楽、絵画、骨董、着物など全てに教養が求められる。

    マナーはいい若者、でも心の内面に奥行きがない。性格や気質、生活ぶりは出てきても、ほかにはなにも出てこない。人間の厚みは自分のなかにどれだけ偉大な他者が住んでいるか。ドフトエフスキーの罪と罰や、シェースクピアのマクベスやハムレットと一緒に、悩んだ分だけ深さのようなものが感じられる。それをくぐってきた人は、人間の大切な人生の問題を一度深く考えたので、次のバイトの心配だけをしている人より人間に厚みがでる。

    「いまの君のままでいい」では人間的な厚みが出ない。同年代の水平な関係だけでなく、深い、高い文化に触れることで、いい、優しいという「気質」だけの人間ではなく、深みのある人間になる。

    精神的に辛い時期にある人の方が、芸術に触れた時の浸透力が高い。著者が、浪人時代「シーシュポスの神話」を読んで、不条理に屈せずに何度でも持ち上げる主人公を見て、現在の状態や運命は常に不条理だけど、自分の未来は自分で決める、つまり、「受験をすると決めたのは自分だから、ベストを尽くして、結果はどちらでもかまわない、結果を受け止めよう。それが実存主義だ」と思えた。落ちたらまた自分で未来を切り開けばいい、と。

    教養力とは引用力。本全部を理解しなくてもいい。どれだけ普段の会話に引用できるか。(じゅんごさんの論語や兵法につながる!)

    著者もカラマーゾフを読破した時は、一つの山を制覇したような充実感を得た。難しいし長いけど、人類にとって最高の小説といわれる作品を読んだという自信で、それ以降どんな小説も怖くなくなる。

    基礎を身につければ世の中のいろんなものが面白くなってくる。「ソクラテスの文明」「セザンヌ物語」こんな人間がいたんだと感じ、自分の中に偉人を取り込むことで豊かに、強くなる。

    すごい、すごすぎるよ、モーツァルト!と、常に心をインスパイアできるI am readyの状態にしておくこと。ビジネスにしても、変化し続ける時代に、このインスピレーションが大事になってくる。これに触れたからもう死んでも悔いはない、と思えるような、感動の一瞬があればそれでいい。

    奥が深くて、一生使ってもたどりつけないと思った時に、人は人生を幸せだと思える。イチローはバッティングほど難しいものはないと言っている。その奥深さを知るところまでたどりつけたら幸せだ。

    優れた人の語りを聞くのも、教養を身につけるのに有効。雑誌のインタビュー「プロフェッショナルの流儀」「論語」「ブッダのことば」「ソクラテスの弁明」など。

    夏目漱石の後継者で、軽さ読みやすさを加味しても深みを失わないのが村上春樹。軽くて深いというのは重要。井上陽水も。

    素養とは教養以前のもの。論語を寺子屋で復唱するなど、身体性ももつ。禅もそのひとつ。今ではほとんど理解されていないので、精神文化の柱を何本も失った日本人の心は弱くなっている。禅の素養を取り戻す必要がある。

    これからは知性と完成が一体化している人間が求められる。今は心が肥大化して存在の全てになってしまいがち。本来身体(習慣)と精神(精神文化)の上に心がのって、心を支えていた。型が大事。精神文化には先人たちの知恵がつまっている。それを丸ごと型として自分の中に落とし込む。サッカーでも一流の選手ほどプレーの幅が広い。身体的な技術が次のクリエイティブなプレーをうみ、幅を広げている。身についているワザを組み合わせれば自ら何かを生み出せる。
    1、知っているレベル
    2、引用できるレベル
    3、ワザとして身についているレベル
    型をつけるのはそんなに難しくない。気に入った本を一年間持ち歩き、なにかにつけて声に出して読んでいれば完全に身につく。できれば偏らず、論語、トルストイ、モーツァルト、のように幅広くもちたい。

    外を流れている水は様々だけど、自分の中には常に変わらない地下水脈があり、それに接すれば必ず喉が潤う、という安心感。ネットにはなくて良書にあるもの。

全26件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在明治大学文学部教授。教育学、身体論、コミュニケーション論を専門とする。2001年刊行の『声に出して読みたい日本語』が、シリーズ260万部のベストセラーとなる。その他著書に、『質問力』『段取り力』『コメント力』『齋藤孝の速読塾』『齋藤孝の企画塾』『やる気も成績も必ず上がる家庭勉強法』『恥をかかないスピーチ力』『思考を鍛えるメモ力』『超速読力』『頭がよくなる! 要約力』『新聞力』『こども「学問のすすめ」』『定義』等がある。

齋藤孝の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×