せきらんうんのいっしょう

著者 :
  • ジャムハウス
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本棚登録 : 144
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (24ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784906768455

作品紹介・あらすじ

「おまえマジすごいわ。」「マジか。」
ある夏の日、暇を持て余してふらつく暖気くん。そんな彼は冷気くんとの出会いで大きな変貌を遂げる。

「あのとき ぼくをはげましてくれたのは ぼく じしんだったんだ。」

雲研究者・荒木健太郎先生と漫画家・小沢かな先生がつづる、はかなくも美しい夏空の雲たちの想い。
TwitterなどのSNSほか、各メディアで話題沸騰!荒木先生のイラスト解説「積乱雲の一生」が絵本になりました!
巻末には積乱雲の特徴や、積乱雲との上手な付き合い方についての写真付き解説も収録しています。
漢字すべてフリガナ付きなので、どの世代にも楽しんでいただけます。
積乱雲の心を感じて、夏の空を楽しめるようになる絵本です。

感想・レビュー・書評

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  • モク、モクと白く大きな入道雲を見ると夏だと・・・。

    雲の研究者で、気象庁気象研究所の荒木健太郎研究官が、積乱雲について描いた絵本です。絵は、小沢かな。

    積雲は、夏、暖かく湿った軽い空気「暖気」の層に、冷たい重い空気「冷気」の層が、軽い空気の層の下に入り、暖かい空気の層を押し上げる過程で出来ます。暖かい雲の層が空高く上昇していく過程で勢が増し「積雲」から「雄大積雲(入道雲)」に成長していきます。

    雄大積雲は、「頭巾雲」という雲を頭に被り、空高く上昇します。この時点で壁に当たり上の雲が横に消えていきます。上昇しすぎた雄大積雲は、勢が弱くなり形が壊れて…冷気となり、暖気の下に入り、暖気を持ち上げる。この繰り返しです。

    ●「積雲」とは、晴れた日によく発生する、綿のような形をした雲です。
    ●雄大雲とは、積雲に見られる雲種の1つ。「雄大積雲」ともいう。積雲は発達の過程で3つの雲種に分類されるが、雄大雲はそのうち最後の段階である。大気が不安定で、でき始めてから時間が経った積雲に見られることが多く、雲頂(雲のてっぺん)が盛り上がっていて雲底(雲の底)からの高さが非常に高いことが特徴です。

    【読後】
    雲に関心があり、まず絵本からと思い手に取りました。雲の形成がよく分かる絵本です。なお、後半は、子供用でなく大人が見るように積乱雲の怖さをこまかい字で書いています。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    積乱雲の一生
    2018.07発行。字の大きさは…中。2022.07.04読了。★★★☆☆
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  • だんき君はれいき君が出会って、せきうんに変身!
    世界一高い空の雲になってやるぜ。

    そうして生まれた積乱雲が壁にぶつかり挫折していく。

    〇雲キャラ絵本
     これは、成り立ち覚えられますわ。挫折と立ち直りを繰り返すんやな。

  • 夏の空、入道雲を見つけたら、
    「おまえ マジ すごいわ。」「マジか。」
    の会話を思い出し、笑えてきそう(笑)

  • 絵本と解説のミックスで読み応えがあります。
    荒木先生の、わかりやすく伝えたい、との想いが伝わってきます。

  • 雲研究者の荒木健太郎さん作の、気象絵本。
    暖かい空気の「だんきくん」と、冷たい空気の「れいきくん」が出会って、雲が成長して衰退して、また次の雲につながる話が、とてもかわいらしい絵で描かれています。
    この絵が、荒木さんのラフ画そのままなのに、びっくり!
    「おまえマジすごいわ」「マジか」
    のセリフに笑いました。

  • ある夏の日、「だんきくん」がヒマをもてあましています。
    やれば出来る子だと自分では思ってるけど、特にやりたいこともありません。
    まわりから見るとふらついて不安定な子。根拠のない自信ばかりでただただ風に流されています。
    そこにやってきたのが「れいきくん」。暑くて軽いだんきくんとは対照的に、クールで重い子。だんきくんのそばに近寄ってきます。
    「おまえ マジ すごいわ。」
    突然そう言われただんきくん、
    「マジか。」
    と驚いているうちに、れいきくんはだんきくんの下に潜り込み、持ち上げます。
    今まで怠けてばかりでほめられたことがなかっただんきくん、うれしくなります。
    さぁ、だんきくんはこの後、どうなるのでしょうか。

    ・・・「積乱雲の一生」です。
    子供向けに積乱雲の成り立ちを解説する絵本だと聞いて借りてみたのですが、いささか面喰いましたw
    絵柄がかわいらしいので、小さい子向けなのかと思ったのですが、このノリはちょっとムズカしくないですかね・・・? そもそも気象に関心を持つのは少し年齢が上がってからなのでしょうし、小学校高学年以上とか、やや大きい子向けなのかもしれません。

    著者は雲研究者で気象庁研究官。
    積乱雲ができる現象の流れは、よく読むとかなり詳細に解説されています。なるほどこういう風に積乱雲が発達していくのだな、という点ではおもしろいです。
    ただ、自己啓発的?な雲たちのココロの描写を楽しめる人と引いてしまう人にちょっと分かれそうな気はします。

    本文中は「ゆうだいせきうん」「ずきんぐも」とひらがな表記ですが、巻末の解説では漢字表記もあります(それぞれ「雄大積雲」「頭巾雲」)。積乱雲の形成に関連する写真や雨量情報の図もあり、なかなかおもしろいです。見返しには英語入りのイラストもあって、積乱雲に関する英単語がいくつか学べます。

  • 暖気、冷気などを擬人化させて積乱雲を表現。確かに頭には残る。負の感情とか笑っちゃうけどうまい表現。

  • だんきくん、れいきくん、せいうん、ゆうだいせいうん、持ち上げる、負の感情

    絵がゆるくてかわいい

    れいきくんに持ち上げられただんきくんは積乱雲になって、やがてれいきくんになって、だんきくんを持ち上げる

    雲の仕組みが分かりやすい

  • 積乱雲の発達過程と衰退過程を「むつかしいことば(専門用語)をつかわずに、わかりやすい絵をつかって説明した本」。

    「下降気流」を「負の感情」と書くところが端的な例なのですが、とにかく専門用語を一切使わずに、でも子供だけでなく大人も満足させるだけの内容を書いている。
    上昇気流と下降気流の入れ混じる状況を、あたかも心の葛藤のように表現するなど、身近で直感的に理解できる言葉を使って積乱雲の一生を書く工夫は興味深い。

    積乱雲だけでなく、いろんな自然現象で同じような本が欲しいな、と思わせてくれる一冊。

  • これは、可愛いし、わかりやすい。
    空を見るのが、楽しくなる。

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著者プロフィール

荒木健太郎(あらき・けんたろう)
雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・博士(学術)。
1984年生まれ、茨城県出身。慶應義塾大学経済学部を経て気象庁気象大学校卒業。地方気象台で予報・観測業務に従事した後、現職に至る。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、気象災害をもたらす雲の仕組みの研究に取り組んでいる。映画『天気の子』(新海誠監督)気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』『もっとすごすぎる天気の図鑑』『雲の超図鑑』(以上、KADOKAWA)、『世界でいちばん素敵な雲の教室』(三才ブックス)、『雲を愛する技術』(光文社新書)、『雲の中では何が起こっているのか』(ベレ出版)などがある。
Twitter・Instagram・YouTube:@arakencloud

「2023年 『読み終えた瞬間、空が輝いて見える気象のはなし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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