序列を超えて。 ラグビーワールドカップ全史 1987-2015 (鉄筆文庫)

著者 :
  • 鉄筆
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784907580209

作品紹介・あらすじ

決勝戦前、オールブラックスのロッカールームの様子を記録したスクープ報道(「1987年のロッカールーム」)。観客がよく飲む。これもラグビー文化なのだ(「飲んで肩抱き合って」)。あと101回は書くぞ。ジャパンが南アフリカをやっつけた(「序列を超えて。」)。1987年から8大会すべてを現地取材。世界のラグビーの潮流、ジャパンの変遷、開催国の文化・人間・ビールを通して書き綴られた、人類に不可欠な営みの祭典。その魅力を一冊に凝縮。24年間勝利のなかったジャパンはなぜ強くなったのか?その軌跡の記録はまさに白眉。本書はナンバー、ラグビーマガジン、スポニチ、東京・中日新聞などに掲載された記事に加筆・修正して新たに編集した文庫オリジナル作品です。書き下ろし【終章】「紙ナプキンの字はかすれた。」を収録。

感想・レビュー・書評

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  • ちょっと難しかった。
    難しいというか、初心者向けではなかった。
    歴史を知っている人にとっては、
    「そうそう!」と共感できるのかも
    しれないが、
    私は、その歴史を知りたかったので。

  • 今読まずして、いつ読むというのか。にわかファンにとって必要なのは急速なキャッチアップだ。ラグビーワールドカップが終わる前に、その歴史を追いかけ、今この時に起きていることをリアルタイムでより深く理解し、味わい、語り継いでいくために、この本は今こそ必要だ。特に、私のようなにわかラグビーファンに。

    この文章を書いているのは、日本が台風19号直撃で凄惨な被害を受ける中、接戦でスコットランドを破り、ロシア、アイルランド、サモアも含め4戦全勝で決勝トーナメント進出を決め、今週末には南アフリカのスプリングボックス戦という興奮を抑えられないタイミングだ。

    ラグビーワールドカップはスポーツイベントとしては夏期五輪、サッカーワールドカップに次ぐ、3番目の規模だそうだ。しかし、歴史は浅く1987年に始まったばかりで、それまではアマチュア競技として「どこが強いか」ではなく、「どちらが強いか」という対抗戦を重んじていたという。以降、4年毎に行われ、2019年の日本大会が第9回目となる。

    過去8回の大会の中で、日本がどれほどの辛酸を味わってきたことか。世界との圧倒的な差を前に、予選プールで負け続けた。例外は、1991年の第2回大会でジンバブエから1勝、2007年の第6回、2011年の第7回の両大会にてカナダと引き分けのみだった。

    そこから一転、前回2015年の第8回大会で南アメリカ、サモア、アメリカから勝利した。最終的には、スコットランドに敗れ、決勝トーナメントへの出場には至らなかった。

    そのような背景を理解した時、先日の予選プール最終戦の対スコットランド戦の意味は深まる。スコットランドの後半の巻き返しの勢いに始終緊張し続けていた。

    日本が過去から長い積み重ねの末、初の決勝トーナメント出場という快挙を素直に喜びたい。一方で、今回の日本大会でラグビーというスポーツの魅力を強く感じることができたことが何より嬉しい。

  • ラグビーW杯、全8大会を現地取材、28年間の醍醐味をこの一冊に濃縮。2019年現在進行中の日本大会を楽しむための貴重な一冊。

  • 歴史を辿っているかのような感覚になる。

    熱くて厳しく優しい。
    そして何よりも、「ラグビー」にフェアな立ち位置で見つめられた文章。

    記事やコラムを時系列でまとめた一冊で、別々の時間に書かれたものとは思えない一貫した想いを感じることが出来る。

    新聞記事など即時性の高いものもあるだけに臨場感があって迫力がある。
    シンプルというより愚直。
    虚飾が無いからこそ、熱さが伝わってくる。

    スポーツへの愛ってこういうことだと思う。

    ワールドカップ開幕前から1週目にかけて読んでいただけに気持ちがシンクロして全部のワールドカップを体感しているみたいだった。

    帯、最高。
    「28年間の醍醐味をこの一冊に凝縮」って言葉がすべて語ってる。

  • 著者がスポーツ記者として過去に書き連ねた文章を、ラグビーW杯という形でまとめた本。

    最後の2014年大会は、熱量も伝わって読んでて熱くなった。

    ただし、それ以外の大会、特に初期の大会だと、著者の力量の問題なのか、あるいはスポーツ雑誌特有の言い回しが自分の肌に合わないのか、何とも読みづらかった。

    単に歴史を知るのであれば、ちゃんと推敲された文章の方が良い。
    おそらく、当時の熱量を伝えるには、そのとき書いた文章が良い、という判断で出版された本なんだろうけども。

    とはいえ、今までラグビーにほぼ興味がなく、しかし、せっかくの2019年日本開催ならば、すぐに観に行ける環境なのだから観てみよう!と考えてチケット買ったニワカラグビーファンとしては、過去のW杯の歴史や経緯が感じられて良かった。

    さて、来週からW杯開催だ!!

  • いよいよ始まるな。ワールドカップ。楽しみ。第1回W杯見たな。懐かしい。結構記憶が薄れてるし、あまり覚えていない大会もあるな。今大会が深く記憶に残るものになると良いな。頑張れジャパン

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著者プロフィール

ふじしま だい スポーツライター、ラグビー解説者。
1961年東京都生まれ。都立秋川高校、早稲田大学でラグビー部に所属。卒業後はスポーツニッポン新聞社を経て92年に独立。著述業のかたわら都立国立高校、早稲田大学ラグビー部のコーチを務めた。2002年『知と熱 日本ラグビーの変革者・大西鐵之祐』(文藝春秋)でミズノスポーツライター賞を受賞。著書に『楕円の流儀』(論創社)、『ラグビーの情景』(ベースボール・マガジン社)、『人類のためだ。 ラグビーエッセー選集』(鉄筆)、『知と熱』(鉄筆文庫)、『北風 小説 早稲田大学ラグビー部』(集英社文庫)、『友情と尊敬』(スズキスポーツ)、『序列を超えて。ラグビーワールドカップ全史1987-2015』(鉄筆文庫)などがある。

「2020年 『ラグビーって、いいもんだね。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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