ジャズ・レディ・ イン・ニューヨーク ブルーノート・レコードのファースト・レディからヴィ レッジ・ヴァンガードの女主人へ
- DU BOOKS (2015年4月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784907583286
作品紹介・あらすじ
NYのジャズを変えた女性がいた。
ブルーノート・レコード創立者/制作者とヴィレッジ・ヴァンガード経営者の妻を経て
運命に導かれるまま現在のヴィレッジ・ヴァンガードを運営する人生の物語。
村上春樹編訳『セロニアス・モンクのいた風景』にも第4章「セロニアス・モンク」が
「この男を録音しよう!」として翻訳・収録された話題の自伝の全訳!
ジャズライター・島田奈央子さん推薦!
表紙イラスト
ラズウェル細木
感想・レビュー・書評
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面白かった!
書名通り"ブルーノート・レコードのファースト・レディからヴィ レッジ・ヴァンガードの女主人へ"なったロレイン・ゴードンの一代記。
ジャズ史の裏方、名脇役たちの"物語"がいきいきと語られている。
何より行方 均氏の翻訳文が素晴らしい。日本語としてこなれている。おそらくご本人とも面識があるだろうから、彼女の個性が活かされているような語り口になっているし、翻訳文のような堅苦しさがない。
オススメっす。
<blockquote>
ジャズは百年強の歴史の中で、今までそうであった以上に現在ライヴの機会が増えていると私は実感しています。(中略)しかし、今この時、ジャズはとても強力です。その通り、レコードはポップ・ミュージックや他のジャンルのようには決して売れたりしません。もちろん売れてほしいですが、しかしそれはジャズの役割ではありません。私は、人々が今聴いているよゴミのような音楽より、ジャズにもっと耳を傾けてほしいと思います。でもそうはならないでしょう。それでいいのです。強く、献身的で、比較的ものをよく知り、新しいサウンドと新しい演奏家を受け入れる聴き手がジャズには居ればいいのです。(P.307)</blockquote>
<blockquote>何を言っているかというと、私は唐突にヴィレッジ・ヴァンガードに辿り着いたのではないということです。私はすきなものにこだわりました。それが私のやり方(アート)でした。私はミュージシャンではありません。私は歌手ではありません。私は画家ではありません。私は女優ではありません。私はそうした何者かではまったくありません。けれど私は人生を通じて、私の愛するジャズという音楽の行く道を追い求めました。私は音楽学者ではありませんでした。理論家でもありませんでした。ただ私はジャズを愛しました。そして私が愛したものは素晴らしいものでした。私は自分が愛したものをとても誇らしく思っています。そしてこのことが、私にヴァンガードを継ぐことを許したのです。ここで始まり、全く終わっていない何かを推進させているものです。(P.310)</blockquote>詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アルフレッド・ライオンの妻からマックス・ゴードンの妻になり、ヴィレッジ・バンガードを仕切る。
こんなパワフルな女性が、ジャズを支えている。