超高齢社会の 医療のかたち、国のかたち

著者 : 大島伸一

• グリーン・プレス (2014年6月26日発売)

作品紹介・あらすじ

2030年ニッポン。その国家像を問う!「長生き」そのものに意味はない。「意味ある長生き」にどのようにしていくかだ。

感想・レビュー・書評

[宮本知明さんの感想 · 2015年1月20日]

人類史上誰も経験したことのない超高齢社会。医療や介護、年金だけでなく、教育も産業も全て大きな影響を受ける。部分修正で何とかなる段階ではなく、いまや根本的な見直しが必要となっている。病院医療から在宅医療への転換。高齢医療の専門医の育成。貴重な資源としての高齢者の活用・・・・・・。終章では、批判を承知の上と前置きしてではあるが、延命だけのために意識のない高齢者徹底した治療の意味を問うている。財政状況極めて厳しい中で今のやり方を続けていたならば真に治療が必要な人が受診できず治せる病気も直せない事態に直面する。人の命の尊厳と限りある財源の問題について、先延ばしも逃げもできない。正面から向き合っていかなければならないのである。成長一辺倒の価値観を見直し全世代が共存できる共生という新しい価値観のもとに生活基盤を見直すことを訴えている。