カタルシスプラン 面白いと確信して描ける漫画演出

著者 :
  • 幸文堂出版
4.75
  • (3)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 45
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784907965082

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 様々な自己啓発的テクニックを漫画を描くことにむけて再編成したものと思われた。
    「カタルシス」は「「期待が満たされ、それ以上の満足できる結果」が与えられること」(p.145)とされている。脚本で、いかにカタルシスをつくりだすか、が「カタルシスプラン」である。
    そして、「どんなに面白いシーンであっても、作品の求めるカタルシスプランとは違う方向性だと判断されるなら、そのアイデアは却下すべきなのだと自己判断できるようになるはずです。(p. 159)」そして、「最初に立てたカタルシスプランは決して途中で変更しないこと。違うプランの方がいいと思ったら他の作品でやりましょう。(p.160)」

    デザインワークにおいて、一貫性を担保する「コンセプト」にあたるものだろう。
    漫画の場合は、それがカタルシスをうみだすプランだというのである。それを変えるということは違う作品になるということだ。

    第4章のコマ割り論が私には面白かった。

    かつては、まず俯瞰で全体を見せてから、そのシーンの会話を始めるというのが普通だったのだが、現代では読者とキャラを同じ目線にたたせるアイレベルの構図が多用されるという。

    ぺージがめくられ、縦書きの文章が進んでいく右から左への流れが、時間の流れであり、キャラが左向き=前向き=正義、右向き=後ろ向=悪事というのもおもしろい。丁寧に左右を反転させたページを用意して、それを示すのも親切だ。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

漫画家
1965年兵庫県生まれ。大阪芸術大学デザイン科卒業。1987年、『週刊少年ジャンプ』にて『ff(フォルテシモ)』でデビュー。代表作に、『交通事故鑑定人 環倫一郎』(原作:梶研吾、監修・資料提供:江守一郎、集英社)、『ZONBI MEN』(共同執筆:岡エリ、講談社)などがある。また、漫画業界の活性化を目的とした有志団体「漫画元気発動計画」を主宰するなど、漫画執筆以外でも精力的な活動を続けている。本書は、漫画入門書としては異例の大ヒットを記録した『10年メシが食える漫画家入門』(講談社)の続編にあたる。近著に、同書の新装版『10年メシが食える漫画家入門R』および『カタルシスプラン』(ともに幸文堂出版)がある。

「2016年 『10年大盛りメシが食える漫画家入門ふりかけ付き!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

樹崎聖の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×