言葉と衣服

著者 :
  • アダチプレス
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784908251139

作品紹介・あらすじ

私たちは生まれてからずっと、衣服とともに生活している。
それなのに、衣服を語る言葉が貧しいのはなぜだろう。
あいまいな用語が流通するファッションの世界に向き合い、
本書は「言葉の定義=批評のためのインフラ整備」を試みる。
ファッションをめぐる新たな思考が、この本からはじまる。

感想・レビュー・書評

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  • ☆部屋のホコリ対策・布種類の知識(綿よりポリエステルの方が〇か?)・素材に関する内容無

    ☆写真、図の説明が欲しかった…

    英語 はだか naked 衣服が剥ぎ取られている
    裸体像 nude

    アダムとイヴが禁断の実を食べて羞恥を覚え、性器をイチジクの葉で隠した☆英語で創世記が説明できるようにする・キリスト教の知識

    ロラン・バルド「モードの体系」 計算高い産業社会は宿命的に計算しない消費者を育成しようとする。

    ファッション史=服装の流行の歴史 古代まで遡ることができる
    ファッションデザイン史=デザイナーによって製作された衣服の歴史 近代以降

    言葉・デザインの使われ方→機能とは無関係の外観で使われる場合多い

    女性が活動しやすい膝丈のスカート ガブリエル・シャネル
    Aライン、Hライン クリスチャン・ディオール

    ☆ネットから調べた内容↓
    【Aライン】Aのような裾広がりのシルエット・上半身はコンパクトで裾にかけて広がったライン・フェミニンな雰囲気・お腹や腰まわりがカバーできるの・重心が下がるのでバランスがとりやすい
    ライン
    【Yライン】Aとは逆のシルエット・上半身にボリュームのある服、下半身は細みの服・代表的なのがオーバーサイズのトップス・アウターとスキニー・レギンスパンツ・脚をほっそり見せつつスポーティで軽やかなルックス
    【Iライン】Iのように引き締まった縦ラインを強調したシルエット・全身がほっそりとしているためスタイルアップ見え効果・代表的な服は真っすぐなワンピース・ジャンパースカート・タイトスカート・細身シルエットのコート
    【Hライン】ベルトや切り替えによりウエストラインが示されつつも絞り込むことなくHの形

    19世紀半ばチャールズ・フレデリック・ワース オートクチュールの制度設計→客の要望ではなくデザイナーが考えた服

    ポール・ポワレ コルセットを必要としないドレス・女性の身体を解放 香水ブランド・ロジーヌ

    現在ほとんどのブランドのオートクチュールは赤字だが、香水で補填
    ブランドのゴールが衣服ではなく香水にある。

    スズキタカユキ 2カ月ごとに新しい商品

    哲学者の○○は……と言っている。☆読んでいても印象に残らない・重要なポイント不明

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/765746

  • 曖昧だったファッションという言葉の定義、ファッションデザインとの差異を丁寧に述べている。他の業界の似た例からの類推など解釈を進めるための工夫が見られる。文系の人のの卒論を読んでいるようで楽しかった。
    ・服を纏うことの意味、どこまでが衣服か
    ・シャネル、マルジェラの功績
    ・常に新しいものを求められる特殊な業態

  • これからのファッションスタディーズに期待を込めて。

  • 《言ってみれば、エクリチュールはひとつの「型」である。最初の一歩目において、私たちは選択の自由が与えられているが、その後はほぼ自動的に「型」にはまってしまうこととなる。たとえばある少年がある日一人称を「僕」から「俺」に変更したとしたら、それまで「ママ」であった母親の呼称を「おかん」「母さん」「おふくろ」などに変更しなければならなくなる。同時に「パパ」は「おやじ」になるだろうし、制服のシャツのボタンを上まできちんと留めなくなったり、裾をパンツの外に出すようになったりする。たしかにこの少年は「俺」という一人称を主体的に選択しているのだが、それはあくまで社会から提示されたいくつかのオプションのうちのひとつでしかない。自ら型を作り出すことはないし、仮にそれができたとしても社会や集団からの認知を得られなければエクリチュールとはならないからだ。》(p.82)

    《あらゆる要素が役割=機能を持ち、余計な細部がなく、全体として調和した状態。これはサン=テグジュペリが言う完全性の概念そのものである。ファッションデザインにおける装飾の機能は、イメージの創出、視線の誘導、何ものかの象徴とさまざまだが、刺繍にせよフリルにせよ柄にせよ、それがなくなってしまうと存在様態が変わってしまうような要素は、決して不合理なものではない。むしろ合理的で機能的なものなのである。》(p.98)

    《ここでボードレールは、モダニティを流行から詩情や永遠性を抽出することだと考えている。流行とはすなわち、現在の表象だと言うことができる。流行はその定義からして過去性も未来性も薄いものだからだ。「流行といえばすべて、その概念からして儚い運命にある」とは一八世紀の哲学者イマヌエル・カントの言だが、彼が指摘するように、仮に流行が長続きしてしまうとそれは流行ではなく慣習となってしまうがために、流行はその発生からして短命であることが宿命づけられている。それゆえ、流行という概念は強い現在性を帯びるのである。》(p.121-122)

    《ファッションの世界もつねに「いまここ」にある新しさを切望しているが、新しさを手に入れるやいなや、それを燃やして灰にし、痕跡しか残らなくなる。いや、場合によっては痕跡すら残らないこともあるだろう。それは、ファッションの仕事に携わる人々が歴史の忘却を望んでいるからにほかならない。》(p.132)

    《ファッションショーは反復不可能性によって特徴づけられる。美術、音楽、映画、小説、ダンス、演劇、アニメなどあらゆるジャンルの作品は何度も鑑賞されうるが、ファッションショーが再演されることはごくまれである。二度以上の鑑賞に堪えられない、つまり反復不可能なファッションショーがいまだに業界の中心となっている事実は、ファッションが新しさの提示に捉われていることの証左であろう。新しさを感じることが目的であるがゆえに、初めてでなければそれを楽しめないものになってしまっている。》(p.135)

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著者プロフィール

1978年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程単位取得退学。京都服飾文化研究財団アソシエイト・キュレーターなどを経て、現在、京都精華大学デザイン学部准教授、副学長。専門はファッション論。著書に『言葉と衣服』(アダチプレス、2021年)、『クリティカル・ワード ファッションスタディーズ――私と社会と衣服の関係』(共編著、フィルムアート社、2022年)、訳書にアニェス・ロカモラ&アネケ・スメリク編『ファッションと哲学――16人の思想家から学ぶファッション論入門』(監訳、フィルムアート社、2018年)などがある。本と服の店「コトバトフク」の運営メンバーも務める。

「2023年 『vanitas』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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