小さな出版社のつくり方

著者 :
  • 猿江商會
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本棚登録 : 251
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784908260063

作品紹介・あらすじ

ライフワークとして出版業界を見つめ続けてきた永江朗が、2000年以降に新しく創業された「小さな」出版社、11社の創業者12人にロングインタビューを敢行。右肩下がりの時代に、あえて「出版社をつくる」ことを選んだ彼らの素顔を描いた、渾身の書き下ろし! 硬直化した出版業界のなかでいつしか忘れていた「本」への気持ちを思い出させてくれる一冊。出版社のみならず、書店、取次など「本」を仕事として選んだすべての人たちにおすすめです。

感想・レビュー・書評

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  • 見慣れない言葉は多いけど、普段手に取る本がどんな風に流れ着いて手元に来てるかを知れますし、
    本を魅力を伝える手段に、明るい兆しを感じました!

    自分の好きな本で出版社をつくれたら…
    と、ワクワクしちゃいました!

  • 190730*読了
    本にまつわるすべてを愛するわたしは、小さな出版社も書店も大好き。だから、こういう本を読むのも好き。
    ここに紹介されている出版社で知っているのは、SPBSとコルクだけだったけれど、自分が作りたい本を作って売りたいという思いの人が多かった。
    大手出版社だと、売るために本を作るようになってしまうのが今の世なのだなぁ…。
    逆にわたしが知っていた2社は他とは意向が違うかな。
    コルクのようなエージェントは今後も増えてほしいし、それが今に適しているように思います。
    取次批判というか、取次は小さな出版社に優しくない、というのが何度も書かれていて、トランスビューのような注文販売制度が小さな出版社向きのような印象。やり方はその人それぞれだけれど。こうやって、出版にしろ販売にしろ、多様化していくのもご時世。いいと思う。
    わたし自身が出版社を作りたい!というわけではないですが、いろいろとスタイルを変えながらも、出版業界、書店業界は頑張ってほしいです。いつまでも。

    210427*読了
    普段は本を再読することは少ないのだけれど、初めて読んだ時から2年の時を経て、ご縁あって、もう一度読むことができました。
    というのも、初読の時以上に「小さな出版社」を作ってみたい、という想いが現れたから。
    本を出したい、それが一番の夢だけれど、自分が作りたい本を作って売ることにも魅力を感じています。

    出版社をやるってことは楽しいだけじゃなく、大変なことも多い。特にこの本を読むと、流通の部分で苦労が伺えます。
    ただ、この本が出版された当時よりもネットで本を買うことが主流になったり、SNSもさらに活用できる時代になったりと、追い風が吹いているように感じます。
    トランスビューのような注文出荷制も、SNSを使えばよりいいと思うし。小さな本屋さんも盛り上げていけるはず。

    今、自分は本を出したくて、出版するには?を考え続けているので、初めて読んだ時とはまた違う視点で読めました。
    本は私の空気であり栄養。大好きな本を作る立場にいつか立てたらいいな。

    • gakkounofushigiさん
      出版者作りは楽しいです。
      同人誌からはじめ出版者記号を取得し極小出版者を作りました。

      トランスビューは好きですが規模が合わなかったので別の...
      出版者作りは楽しいです。
      同人誌からはじめ出版者記号を取得し極小出版者を作りました。

      トランスビューは好きですが規模が合わなかったので別の小取次と口座開設して流通させています。

      このほんの続編の『~つづけ方』も気になる一冊です。
      2022/02/01
  • 結果的に似たような本を2冊連続で読むことになりました。前回は「本の時間を届けます」という女性店主の経営する本に関わる業種の方々の本。
    本書は所謂「一人出版社」を開業して運営している人々の本です。実際に一人でやっていなくとも一人二人でやっていれば、一人出版社の定義には当てはまりそうです。

    そもそも本の出版を個人レベルで出来る事が最近の驚きですが、小さな書店や超大型書店に行くと個人で出したような本、所謂ZINEと言われるものが大分増えたような気がします。逆に中堅の本屋では全く見かけませんが。
    有名な小さな出版社としては「ミシマ社」「夏葉社」が有名ですがどちらも既にビックネームと言っても過言ではないでしょう。まさに小規模出版社の星。
    書店を始めるよりも敷居が高い、高すぎる「出版社経営」という生き方。これを選ぶには元編集者と言うのが一番分かりやすい肩書です。元々持っているスキルと知識に加え、思った通りの本を作りたいという情熱が、溢れだして止められなくなった人と思いました。一番はこの溢れだして止められないという所でしょうか。普通やらないでしょう一人出版社。
    小さな出版社を始めるにあたって皆が口を揃えていうのが取次との契約の難しさと、契約出来ても条件が悪すぎる点。取次のリスク回避の為に、資金の乏しい出版社側にリスクが回ってくるという点です。
    そんななか本書で登場するトランスビューという会社です。トランスビュー自体が出版社でありながら取次の機能を持ち、小さな出版社の本を流通に乗せてくれる強い強い味方です。本書に出てくる出版社の多くがトランスビューと契約しています。うーん、なんだかかっこいいぞ。
    当然中規模書店に行っても楽しいのですが、どこ行っても見た本が同じように並んでいるだけなので、ハシゴしようと思っても変わり映えしない棚を見せられるだけになります。見たことが無い本が並んでいる光景を見るとワクワクしますよね。それはこういった流通に乗りにくい本を意識的に集めている書店に行かないと出会えないのです。

    このご時世に出版業界に参入するなんて酔狂も極まっていますが、皆さん本当にかっこいいです。こちらは本屋さんと違って羨望は湧きません。本は作るより読みたい方なので。

  • 小さな出版社の作り方、のノウハウが書いてあるわけではなくて、小さな出版社を作った人たちの話を聞いてまとめた本。
    取次っていうシステムに不満がある人が多いらしい。
    でもたしかに、小さな書店が、自分で好きな本を注文して仕入れて、個性を出せたらいいのかもなという気がする。

  • 取次は大手版元のためにある、トランスビューは良い、というのが全編にわたってある。まあ、現状考えたら宜なるかな、という気がするけど。
    それぞれ良し悪しあるだろうけど、小規模版元はそれじゃ面白くはないだろうね。

  • 本の本

  • 僕は学生の頃、出版社に入って編集の仕事がしたかった。
    その想いはまだ微かにけ、そこそこ残っているのか、この本を手にとった。
    出版不況といわれる、こんな時代に小さな出版社を創業している11社の事例を、前職にどんなことをしていた人が、どんな想いから出版社を創業して、どんな本を作っているのか?紹介してくれている。
    大変そうだけど、楽しそう、でも、そんな簡単なものではないけれど、羨ましい気持ちになりました。

  • それぞれの想いを持って出版社を起業した人達を取材。
    面白そうな出版社が並ぶ。
    独自の切り口で、既存の出版界に乗り込んできた出版社達。
    応援したい。

  • なるほど、という感じ。

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著者プロフィール

1958年生まれ。ライター。書籍輸入販売会社のニューアート西武(アールヴィヴァン)を経て、フリーの編集者兼ライターに。90~93年、「宝島」「別冊宝島」編集部に在籍。その後はライター専業。「アサヒ芸能」「週刊朝日」「週刊エコノミスト」などで連載をもつ。ラジオ「ナルミッツ!!! 永江朗ニューブックワールド」(HBC)、「ラジオ深夜便 やっぱり本が好き」(NHK第一)に出演。
おもな著書に『インタビュー術!』(講談社現代新書)、『本を読むということ』(河出文庫)、『筑摩書房 それからの40年』(筑摩選書)、『「本が売れない」というけれど』(ポプラ新書)、『小さな出版社のつくり方』(猿江商会)など。

「2019年 『私は本屋が好きでした』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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