なぜ日本はフジタを捨てたのか?: 藤田嗣治とフランク・シャーマン1945~1949
- 静人舎 (2018年5月1日発売)
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- Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
- / ISBN・EAN: 9784909299017
作品紹介・あらすじ
1991年、ソウルの病院で元GHQ美術教育担当官がひっそりと世を去った。死の数日前、彼は、病床を見守っていた一人の日本人実業家に、生涯かけて集めた美術品を含むぼう大な資料(シャーマン・コレクション)を託した。フランク・シャーマンは、世界的な巨匠・藤田嗣治が占領下の日本から渡米するのを助けた米人として、藤田の経歴にわずかに記されることはあるが、そのプロフィールは闇に包まれたままだ。北海道伊達市に眠る未公開の書簡や写真など2万点とも言われるコレクションの調査や新資料の渉猟により、藤田渡米という“戦後美術最大の事件”が、70年後の日本画壇崩壊のきっかけになったことなど、戦後日本美術の通説を覆す事実が次々に明らかになる。本書は、敗戦直後からフジタ渡米までの5年間に焦点を当て、藤田の人生最大の危機、藤田がただ一人気を許した友人シャーマンとの交友など、戦後美術の戦いと希望のドラマを描いたノンフィクションである。
感想・レビュー・書評
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戦後の日本の復興には芸術家の支援を通した芸術の復興が欠かせないというGHQの方針から、シャーマンと藤田の交流が始まったというのが興味深い。保身のために藤田を戦犯のように祭り上げた当時の日本画壇に怒りを覚えた。
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東京新聞2018930掲載
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