- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784909394552
作品紹介・あらすじ
読売新聞の大人気連載「人生案内」から名回答68本を厳選! 待望の書籍化第2弾。
「離婚されたらよろしいのでは」
「自分を守れない人に家族は守れません」
「たとえ母親でも、首を突っ込むのはマナー違反です」
「いつも笑っていなくてもいいのです」
・・・誰も言ってくれない、最高に実用的な回答ばかり!
**
(…)嵐が吹いても家が傾いても、町中がマスク人間だらけになっても、不倫や嫁姑問題はなくなりませんし、毒親は健在でした。パンデミックでみんな大変な時に不謹慎じゃないかと思って誰にも相談できないでいた密かなお悩みが、社会の公器である新聞に続々と寄せられているのでした。――まえがきより
**
SNSで話題沸騰! 「10.7万いいね」のあの回答も収録!
【黙とうしない同僚 不愉快】(本文より要約)
相談者
「3月11日に職場の館内放送で黙とうの呼びかけがありました。ところが、1人の女性が部屋を出てしまったのです。黙とうをしないのは、亡くなった方や遺族に大変失礼だと思います。受け入れられません。」
サイショーさん
「あなたはどうでしたか。部屋を出ていった彼女が気になって仕方なかった。よし、新聞に投書してやろう。そんな気持ちで黙とうしていたことは、亡くなった方や遺族に対して失礼にはあたりませんか。365日、毎日誰かの命日です。館内放送で一斉に黙とうすれば真摯なのか。彼女が奥まった部屋で祈っているかどうかは誰にもわかりません。ただ少なくとも、他人が土足で踏み込む場所でないことは確かだと思います。」
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
素晴らしい人生相談、すべての回答が納得するものばかり。なぜこんなに適格と言えば、問題の所在の絞り込みが適格。誰に問題があるのか、どこに問題があるのか、それはどうして起こっているのか。焦点を一つに絞っているだけに、回答もシンプル。それだけに、感心も得心もする回答者ぶり。
人生いろいろ、みなさん同じような悩みをおもちなんですな。でも口にしただけで薄まっているのか、それとも濃縮になっているのか、でも私の好きな言葉に「ケセラセラ」があるんですが・・・。 -
読売新聞の「人生案内」が大好き。中でも最相葉月さんの回答が大好き。だけどここ何年か、仕事が慌ただしくて新聞をしっかり読めない日が増えていた。最相さんの回答回をまとめたこの第二弾は、読み逃していた回が多かったこともあり、ずっと欲しいと思っていた。
読み出すとやめられない、恋愛、家族、介護、仕事、コロナ禍…様々な悩みを冷静に分析し、的確に回答。なかなかに手厳しいけど、痛気持ちいいというか。つくづくすごいなと思うのは、相談者も気付いていないかもしれない(うすうす気付いてても、認めたくない)本音をビシッと指摘しているところ。それを限られた誌面で簡潔に伝えてくるところがさすが。厳しいだけじゃなく、ほんのり愛もユーモアも感じられるところが好きだなぁ。
掲載時に新聞で読んだものもあるけれど、そのときとはまた自分自身の捉え方が変わっていたりするので、何度でも読める。金言満載。常に読み返せるよう傍にスタンバイさせておきたい一冊。 -
最相葉月さんの切れ味鋭い回答が楽しめる一冊。
辛口とあるけれど、実際は投稿者の状況を慮った愛のあるコメントが多いなぁと。たまに刺すように鋭い回答があって読んでいるこっちがどきどきする。
ミシマ社はこんな本も出してるのかとびっくり。 -
どの新聞にも必ず掲載されている人生相談だが、これは考えようによっては妙なもので、相談といいながら相談者よりもむしろ紙面の向こう側の野次馬である一般読者に対してどう答えるかを見せる芸として成立している気配がある。ネットにあるヤフー知恵袋のような実用一辺倒のものではなく、時に相談者ですら何を相談しているのかよくわかっていないのではないか?と思われるようなものにも対峙する、もはや相談にかこつけた人生観の披歴の場、相談回答文芸とでも呼べばよいのだろうか。
本書の著者もその回答がSNSでも「よくぞ言ってくれました!」と時折バズる人気ぶりである。タイムラインに流れてきた名回答を眺めていると、著者は快刀乱麻を断つごとく切って切って切りまくる、時に読者が藁人形をこしらえて差し出したくなるような、そんな芸風かと勝手に想像していたのだが、案に相違して時に叱咤し、時に背中をそっと押し、時には相談者さえ気づいていない隠れた悩みを引き出し、と、老練多彩な技を駆使しており、一冊を通じてなかなか読ませる。 -
読売新聞の「人生案内」に著者は寄せられた人生相談に回答していかれたものを再構成された一冊。
相談者は著者のイメージ像などを理解した上で投書されていることを前提として、
様々なひとが多様な悩みを持っていることや、その、悩みに対して自分以外のひとが回答される様は目から鱗だし、そう言う考え方もあるのかとすごく面白かった。
喫茶店でご友人との会話を楽しんでる人の横にちょこんと座って耳を傾けてるような気持ちになった。 -
この本の回答だけ読んでいるとそんなに辛口でもないじゃんと思ってしまうけど、新聞のほかの回答者を読んでいると確かに切れ味抜群だなって思う。毎日読んでても最相さんの回はちょっとわくわくしてしまう。
-
冒頭の奥様へのブーメラン回答はネットでも拝見した事があるので有名かと思われる。この相談者に限らずだが他責型が主だが中には自責と見せかけて…というような相談も見受けられる。そういった相談者の思惑を見抜いたうえでの鮮やかな回答は清々しい。個人的には竹原慎二のボコボコ相談室をマイルドにした感じにも思える。
新聞の相談回答は相談を発送してからどれ位で回答が新聞に載るのだろう。追い詰められてヤバい人が悠長に新聞を読んで待つとも思えないが本書の相談内容を見るにまあそういう内容で選定されているのだろうけど。 -
読売新聞の人生案内は昔から好きで読んでます。
世の中いろんな人がいるなー、というのが陳腐ながら率直な感想。
サイショーさんの答えは心に喝を入れてくれるけれど、あまり実践には役立たないような気がします笑
とくにそんなこと悩んで、新聞に投書までしちゃうの⁈というタイプの人には。彼らがこの辛口回答を読んでどう思ったのか、ぜひその後が知りたいです笑 -
新聞の人生相談をまとめているもの。この著者の回答が素晴らしいとネットで見かけ、読んでみた。確かに時々辛口だけれど全く仰る通りの回答、多分相談者はぐうの音も出ない。相談者の文を読んでモヤっとした部分は絶対見逃さず、的確に言語化して指摘する様は職人技。字数制限がある中で、とても簡潔に答えているところがすごい。
回答は素晴らしいけれど、途中で少し飽きてしまい、新聞の人生相談ってまとめて読むものではないな、とも思った。
ひとつ印象に残ったのは、「障害児を育てているが仕事の夢も諦めたくない私はわがままか」という回答に対する、「あなたの子どもはわたしたちの子どもです」という一文。その通りだと思ったし、心に刺さった。