奈良原一高のスペイン―約束の旅

著者 :
  • クレヴィス
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909532343

作品紹介・あらすじ

「旅」と呼ぶには、僕の心はあまりにもスペインの土に
住みつきすぎていたのだ。―奈良原一高

揺れる60年代、スペインの人々と共振しながら
自らを見つめた、若き写真家の「旅」の軌跡
1960年代、自らの生き方と写真表現を見つめ直すため、奈良原一高は日本を出てヨーロッパで思索の日々を送ります。深く心奪われたのはスペイン。祭りに歓喜し、闘牛に命を賭け、激動の時代をしたたかに生き抜く人々―彼らに共振しながら撮られた、圧倒的にダイナミックな〈スペイン 偉大なる午後〉。本書はそのシリーズからモノクロ写真120点を厳選し、親友のグラフィックデザイナー勝井三雄とのコラボレーションにも注目。同時期に撮影された〈ヨーロッパ・静止した時間〉の名作15点も加え、若き写真家の「旅」の軌跡を、半世紀ぶりにたどります。

感想・レビュー・書評

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  • 《「夜空が白み始める頃、踊り明かした彼等は名残惜しそうに立ち去ってゆく。街角のひとつひとつに立ち止まっては、ひと踊り、そしてまたひと踊りと、今は果てた祭りの夜明けをいとおしみながら舞台から遠のいてゆくのだ」》(p.50)

    《「今日、死と生が鮮明に抱き合う地点はスペインの闘牛場の砂の上にしか残されていない。むしろそのような人間の原点に位するような醒めた熱狂が今日残されていることの方が神秘なのである」》(p.132)

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著者プロフィール

1931年福岡生まれ。1959年早稲田大学大学院(芸術学専攻)修士課程修了。在学中の1956年に、初めての個展「人間の土地」が大きな反響を呼び、写真家としての活動を始める。1959年、東松照明、細江英公、川田喜久治らとセルフ・エイジェンシィ「VIVO」を結成(1961解散)。その後、パリ(1962-1964)、ニューヨーク(1970-1974)と拠点を移しながら活動。1974年帰国後も世界各地を取材し、多数の展覧会を開催。写真集も数多く出版し、国際的にも高い評価を受ける。
主な個展に、「Ikko Narahara」ヨーロッパ写真美術館、パリ(2002-2003)、「時空の鏡:シンクロニシティー」東京都写真美術館(2004)、「手のなかの空 奈良原一高 1954-2004」島根県立美術館(2010)、「王国」東京国立近代美術館(2014-2015)など多数。

「2019年 『王国 Domains』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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