鈴木道太研究――教育・福祉・文化を架橋した先駆者

著者 :
制作 : 増山均 
  • 明誠書林
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  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909942111

作品紹介・あらすじ

「小学校教員」「児童福祉司」「子ども会指導者」「教育評論家」「短大教授」として多彩な経歴から子どもと関わり、先駆的な仕事を果たした鈴木道太の歩みと業績をトータルに捉えた、初めての研究書を刊行!
鈴木道太(1907-1991)は、宮城県白石市で生まれ、宮城師範学校を出て小学校教員となり、生活綴方教育・北方性教育運動で活躍した。しかし1940(昭和15)年、治安維持法違反容疑で検挙、実刑を受け1943(昭和18)年まで獄中生活を送る。出獄後は教職を離れ、1944(昭和19)年に大河原町役場の書記として再出発し、1948(昭和23)年からは宮城県の児童福祉司として児童相談所の仕事に従事した。児童福祉および青少年の保護育成の仕事を開拓しつつ、執筆活動・講演活動に精力を注いだ。執筆した著作は50 冊以上、雑誌掲載記事を含めると膨大な量になる。その業績は教育分野のみならず、福祉と文化の領域も含んだ総合的視野と地域づくりへの展望にみちたスケールの大きな先駆的業績であった。鈴木道太没後30 年(2021 年3 月)に合わせ、鈴木道太の再評価と研究の促進を図るべく刊行するものである。
執筆者:増山均(早稲田大学名誉教授)、齋藤文夫(東京家政学院大学准教授)、笹島康仁(ジャーナリスト・フォトグラファー)、竹原幸太(東京都立大学准教授)、山田恵子(早稲田大学文化構想学部非常勤講師)
目次
序論 「鈴木道太文庫」の価値と鈴木道太研究の今日的意義 増山 均
 第Ⅰ部 戦前・戦中編――綴方教師としての活躍から弾圧へ――
第1章 鈴木道太の教育論と生活綴方論の展開――戦前期を中心にして  増山 均・齋藤史夫・山田恵子
第2章 鈴木道太における教育と福祉――「はみ出した教育」と福祉へのアプローチ 山田恵子 
第3章 『赤い鳥』と生活綴方――鈴木道太の実践を通して考える 増山 均
第4章 治安維持法による弾圧は何をもたらしたのか――未発表原稿「裁かれた教室」と裁判記録から読み解く 笹島康仁・増山 均
 第Ⅱ部 戦後編――町役場職員・児童福祉司としての出発――
第5章 鈴木道太と地域文化創造――「新しい土の文化」をかかげて  齋藤史夫
第6章 児童福祉の開拓者としての鈴木道太――「キャロル女史の講義」ノートと児童相談所におけるケースワークの草分け 山田恵子
第7章 青少年保護・健全育成施策における鈴木道太の非行防止論 竹原幸太
第8章 鈴木道太のしつけ論・家庭教育論 増山 均
第9章 鈴木道太における子どもの権利認識と「子ども会論」 増山 均
 第Ⅲ部 資料編
鈴木道太年譜・年表
鈴木道太著作一覧
鈴木道太単著・共著一覧
鈴木道太裁判記録
おわりに
索引

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著者プロフィール

1948年、栃木県宇都宮市生まれ。
専門は社会教育学、社会福祉学。東京教育大学文学部哲学科、東京都立大学人文科学研究科大学院修了。日本福祉大学社会福祉学部教授、早稲田大学第一文学部・第二文学部教授、早稲田大学文学学術院文化構想学部教授を経て、現在、早稲田大学名誉教授。日本学童保育学会代表理事。
[主な著作]
『子ども研究と社会教育』青木書店、1989年
『教育と福祉のための子ども観―〈市民としての子ども〉と社会参加―』ミネルヴァ書房、1997年
『子育てはあたたかくやわらかくゆったりと』柏書房、1999年
『余暇・遊び・文化の権利と子どもの自由世界―子どもの権利条約第三一条論―』青踏社、2004年
『子育て支援のフィロソフィア―家庭を地域にひらく子育て・親育て―』自治体研究社、2009年
『学童保育と子どもの放課後』新日本出版、2015年
『静かだったら、学校と同じじゃん―学童クラブの窓から―』(共編著)‎新日本出版社、2019年

「2022年 『学童保育を哲学する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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