フィルムの中の女: ヒロインはなぜ殺されるのか (ウィメンズ・ブックス 10)
- 新水社 (1992年1月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784915165436
作品紹介・あらすじ
新旧10本の映画を題材に今を生きる女の状況をえぐる。
感想・レビュー・書評
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どの映画もここまで考えて観たことがないなあ。
1991年の著書なので紹介される作品も今では古く、どれも観たことがないので当然自分の感想もないし、田嶋さん流解説しか知らない。
ただ作品を女性抑圧の視点で観てしまうと、まず感じるのは苦しいなあということ。
すごくよくわかったのは、
「腹の底から何かを感じたら、ある意味では、とても怖いことになります。〈感じる〉ことは、元来、行動に結び付くからです。感じたまま正直に生きたら、世間や良識からはみ出してしまうかもしれませんそれがこわいから人はその〈感情〉を〈抑圧〉するのです。」P250
友人関係や夫婦関係、会社や世間などが息苦しくて、でも上手くやるために自分を押し殺していることに気づいたとき、自分を救う手立てが今あるものを手放したり壊すことであると分かる。
それを想像すると怖くて、結局息苦しいのは気のせいかも、私の我慢が足りないのかも、みんなやってるしなどと自分を騙して蓋をする。
人生を振り返るとそういうこと多かったな。
だから余計この一冊がしんどくて、コメディ映画に逃げたくなる!
コメディ映画も当然世相を反映しているから、見方によってはこれまた苦しいんだろうけど。
女性云々は置いておいて、『愛と追憶の日々』を観てみたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
10作品の映画のヒロイン達が男性の監督によってどのように描かれているか、フェミニズムの視点から論じる。多少なりとも経済力のある人たちによって母娘妻などの今までの理想とされていたものが、すこしずつ変わっていくことが対立を産む。面白かったです。