フィルムの中の女: ヒロインはなぜ殺されるのか (ウィメンズ・ブックス 10)

著者 :
  • 新水社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784915165436

作品紹介・あらすじ

新旧10本の映画を題材に今を生きる女の状況をえぐる。

感想・レビュー・書評

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  • どの映画もここまで考えて観たことがないなあ。

    1991年の著書なので紹介される作品も今では古く、どれも観たことがないので当然自分の感想もないし、田嶋さん流解説しか知らない。
    ただ作品を女性抑圧の視点で観てしまうと、まず感じるのは苦しいなあということ。

    すごくよくわかったのは、
    「腹の底から何かを感じたら、ある意味では、とても怖いことになります。〈感じる〉ことは、元来、行動に結び付くからです。感じたまま正直に生きたら、世間や良識からはみ出してしまうかもしれませんそれがこわいから人はその〈感情〉を〈抑圧〉するのです。」P250

    友人関係や夫婦関係、会社や世間などが息苦しくて、でも上手くやるために自分を押し殺していることに気づいたとき、自分を救う手立てが今あるものを手放したり壊すことであると分かる。
    それを想像すると怖くて、結局息苦しいのは気のせいかも、私の我慢が足りないのかも、みんなやってるしなどと自分を騙して蓋をする。

    人生を振り返るとそういうこと多かったな。
    だから余計この一冊がしんどくて、コメディ映画に逃げたくなる!
    コメディ映画も当然世相を反映しているから、見方によってはこれまた苦しいんだろうけど。

    女性云々は置いておいて、『愛と追憶の日々』を観てみたい。

  • 10作品の映画のヒロイン達が男性の監督によってどのように描かれているか、フェミニズムの視点から論じる。多少なりとも経済力のある人たちによって母娘妻などの今までの理想とされていたものが、すこしずつ変わっていくことが対立を産む。面白かったです。

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著者プロフィール

田嶋 陽子(タジマ ヨウコ)
英文学・女性学研究者。元法政大学教授。元参議院議員。
さまざまなメディアをとおして身近でわかりやすいフェミニズムを説く。
1941年、岡山県に生まれ、静岡県沼津市で育つ。津田塾大学大学院博士課程修了。65歳からシャンソン歌手として、また70歳から書アート作家として活動をはじめ、コンサートや個展などを精力的におこなっている。
著書に『フィルムの中の女』(新水社、のち講談社+α文庫『ヒロインはなぜ殺されるのか』)、『もう、「女」はやってられない』(講談社)、『それでも恋がしたいあなたへ』(徳間文庫)、『だから、なんなのさ!』(TV朝日)、『田嶋陽子が人生の先達と考える女の大老境』(マガジンハウス)、『だから、女は「男」をあてにしない』(講談社)、『女は愛でバカになる』(集英社be文庫)などがある。

「2019年 『愛という名の支配』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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