甦るフランス遍歴職人

著者 : 秋山哲一 小幡谷友二

• 出版館ブック・クラブ (2010年9月1日発売)

感想・レビュー・書評

[toyobookshelfさんの感想 · 2011年8月22日]

　大工、パン職人、菓子職人から絨毯職人、鉛管工まで…。どれも機械ではできない、手仕事で行う職種の技能者を育成する「フランスの遍歴職人育成システム」を紹介した本書。「職人」を目指す若者が、切磋琢磨しながら腕を磨き、自分にふさわしい働き場を探し出すことができるこのシステムは、日本においても大きなヒントを与える。日本のものづくりの再生は、それを担う職人の育成にかかっている。グローバル化にともない、技術の国際交流、国際移転は積極的に行われてきたが、「技能」の国際交流がより重視されていくのではないか、と東洋大学理工学部の秋山教授。技能労働者の社会的な支援システムが求められる今、伝統・技能の伝承の重要性について改めて考えさせられる。