バラライカねずみのトラブロフ

  • 童話館出版
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784924938946

感想・レビュー・書評

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  • バーニンガムの作品の中では特に好きなお話。
    「トラブロフ」という名のねずみさんが、好きな楽器を奏でることで自分も周りも幸せにしていく話で、序盤の「バラライカ」の音色に魅せられる部分で、もうシンパシーがひしひしと。
    ああ、これ、分かる。うんうん、そうだよね。
    かつての自分の姿と重なり、読むたびに胸が熱くなる。

    ロシア伝統の楽器「バラライカ」。
    音を響かせる太鼓の部分が三角形で、弦は3本。
    その繊細な音色に心を奪われた、酒場のねずみ・トラブロフ。
    どうしても弾けるようになりたいと憧れ続け、大工ねずみのおじいさんに「バラライカ」を手作りしてもらう。
    ねずみさんの持つ「バラライカ」だもの。どれだけ小さくて可愛いか、想像してみて。
    ところが酒場の楽師さんたちはすぐに別の地に旅立つという。
    どうしても「バラライカ」を習いたいトラブロフは、こっそり旅に着いて行くことに。。。

    舞台はヨーロッパの中ほどというから、ハンガリーあたりだろうか。
    暗く厳しい冬の光景。馬そりで旅するジプシーたち。
    広大な雪原。真っ赤に染まる夕日。
    とりわけ「バラライカ」を奏でる場面はいくつも登場し、まるで絵から妙なる音楽が聞こえてくるかのよう。
    プリミティブな絵で、このお話の世界が一層強く伝わってくる。

    「好き」というポジティブな情熱は、すべての問題を乗り越える力を持つ。
    それが、とっくに大人となった私にも素直に響いてくる。

    初版は76年のほるぷ出版。
    今回は再版した98年版を読んだ。瀬田貞二さんの訳がとても優しくて素敵。
    文学的な言い回しもあり、迷わず読めるように練習が必要かも。
    約10分。中学年以上に。秋から冬にかけておすすめです。

  • かわいいネズミもいるのねー

  • ロシアのお話。バラライカというロシアの楽器が好きなねずみのトラブロフ。酒場に住んでいて、ジプシーが演奏する音楽を聞いている。おじいさんネズミにバラライカを作ってもらい、ジプシーに弾き方を習う。そのまま一緒に旅に出るが、家族に心配されて、お母さんが病気に。スキーでおうちに戻って、酒場のおじさんにもバラライカの演奏を聞かせて、そのまま兄弟ネズミとバンドを組み、大成功

  • 絵が良いのはもちろんのことストーリーも読み応え満点。

  • バラライカにはまり、一生懸命なネズミの様子に感心します。

  • 25年度 (5-2)

    8分

  • おとなのえほん
    http://ehon.hatenablog.com/entry/trubloff

    この本から学べる教訓は、人生のターニングポイントで素早く決断を下すことが、いかに重要かということ。
    トラブロフがジプシーに教えを乞おうと思った夜、明くる朝になるとジプシーたちはもう次の町へ去って行ってしまうことを知ります。
    そこで、トラブロフは大きな決断をして、親にも言わずにジプシーたちのそりに乗ってしまうわけですが、これが間違いなくトラブロフの人生の転換点となりました。

    もしここで家に残っても、独学で練習は続けていたかもしれませんが修得までに多大な時間を要したのは確実だし、そもそも投げ出してしまっていたかもしれません。

    大きなチャンスが目の前に現れたときに、リスクに恐れず、前へ進むことができるか。

  • 申し訳ありません、現在品切れ状態です。
    購入できません。20130618
    復刊ドットコム
    http://www.fukkan.com/

  • バラライカとの旅の末、居心地の良い我が家をつくりあげたねずみの家族の話。

  • 音楽の大好きなネズミトラブロフは、バラライカを持って旅芸人についていき、、、

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著者プロフィール

ジョン・バーニンガム:絵  1936年イギリス、サリー州生まれ。ロンドンの中央美術工芸学校を卒業。はじめての絵本『ボルカ―はねなしガチョウのぼうけん』でケイト・グリーナウェイ賞を受賞、その後『ガンピーさんのふなあそび』(ともにほるぷ出版)で再度受賞をはたす。『いつもちこくのおとこのこ―ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー』(あかね書房)、『ねえ、どれがいい?』(評論社)、『ドライバーマイルズ』『ガンピーさんのサイ』(BL出版)など作品多数。2019年1月逝去。

「2021年 『パイロットマイルズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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