点―ten―

  • EMI Music Japan Inc./U3music Inc.
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784930774224

作品紹介・あらすじ

自分がインタビューで何を言ったかなんて全然覚えてない。その場その場で正反対のこと言ったり、かっこつけたり、テンション高すぎたり、嘘ついたりしてると思う。でもいつでも本気。写真・画像222点、宇多田ヒカル自身による書き下ろし文章1万5千字。

感想・レビュー・書評

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  • 「点」は本人書き下ろし文章、語録、デビューアルバムから約10年間のインタビューという構成。特に宇多田ヒカル語録には常識を打ち破るような発言や、心にズンと響く言葉、おもしろエピソードなども満載です。
     
     例えば、
     ・普通なことが特別で。特別であることが普通なことなんだよ。
     ・800万人の人感動させるのも、1人の大事な人癒すのも、同じ実りじゃないかなあ。
     ・自分がわからなくなったら外を見たほうがいい気がする。自分のまわりの人や外の人、自分のいる場所をよく見てかんがえたほうが、それに対する自分の反応が出てきて、自分の人格とかするべきことを決めていくと思うんですよ。だって、生まれて何もない世界に一人ぼっちだったら、自分がどんな生き物かわからない。誰かに何かいわれて反応するから、あ、私こういう反応する人なんだってわかるわけだし。
     ・ダイヤモンドより、みかんのほうがいいじゃんみたいな。そのほうが幸せな感じがするな。
     ・眠ってるようなもんです、常に。夢の中だったら何があってもいいじゃないですか。だから何も怖くないんです。
     ・自信を持って、何かを信じて生きてる人ってきれいだなって思う。でも、だれでもきれいな瞬間ってあるよね。それって、何かをしてて熱中している時。でも、その'何か’がわかればいいんだけど、なかなか自分ではわからないものなんだよ。
     ・私にとって全部、相対性が大事で。ひとつのモノの絶対値みたいなものって。あんまり考えないのね。
     ・メールで、好きな人に告白されるより、一緒にいて側にいる時とかに告白されるほうが嬉しくない?メールとかは保存できるけど、なんか、その保存できない瞬間のほうが私は好きだな。
     ・素直になるにはひねくれなきゃいけないのよね(笑)。
     ・5グラムの「悲しい」と5グラムの「うれしい」は私には同じものにしか感じられないんです。 
     
    って、共感のあまり、調子にのってどんどん書いてしまいました…。 
     
     そして、私が特に注目した発言二つは…(懲りずにまだ書いちゃうけど…)
      *「雪だるま一緒に作ろう 溶けるけど」
      *自分で育てたもの、はぐくんだものを、自分でそうあってほしいと思ってなった世界を、自分で壊すっていうのが、ホント……なんでだろうって……。そういうことの繰り返しのような気がしたのね、人生が。
     「壊して、構築して、をくりかえしていく」というのが彼女のテーマ(私のこころを揺さぶるなにか)なのかなと感じました。

     これだけの名言を吐きつつ、この本の帯紙にはこのように書かれています。
     「自分が何を言ったかなんて全然覚えてない。その場その場で正反対のこと言ったり、かっこつけたり、テンション高すぎたり、嘘ついたりしてると思う。でもいつでも本気。」
     
     やっぱり、天才!!

  • 歌詞を書くのは、
    一見複雑に見えるものごとを、できるだけシンプルに表現すること。
    ものごとの本質に近づこうとすればするほど、自意識というものが邪魔になる。自意識を消すためには、外の世界に全感覚を開かないといけない。 018

    もやもやを振り払うたった一つの方法は、たとえば、歌を創る、文章を書く、写真を撮る、絵を描く、といった創作活動なんじゃないか。それもまた逃避のひとつであるけど、やみくもにエネルギーをムダ遣いするのとは大きく違う。 019

    人でありたいという気持ち以外に、自分がどういう人か?なんて考えたことがなかった。いつも、全部でありたい、と思って生きてきた。 022

    両極とされることは個別の円に見えても、見る角度や、それぞれの円の深さをしることによって、全ての円が重なりあう素敵な領域があるような気がしてならなかった。 022

    全部でありたい、という気持ちは、自分を定義することの逆なのかもしれない。 022

    世界を自分の内と外で分別しだすと、自然からも本能からも離れていく気がする。なんでもないと同時になんでもある存在になりたい。そんな感覚をずっと持ってた。そんな救済の予感をずっと、追っかけてた。 023

    音楽制作の主導権を握れば握るほど、自由を得れば得るほど、孤独になっていった。 024

    ナイフのように切りつけられながら歩く日が続いても、その場で楽な死ではなく、生きることを選ぶ。道しるべも案内人もない。自由はとても一人ぼっち。でも、イイこともた~くさんある。険しい道を選んだ者には、他の誰も見ることのできない絶景を目にするチャンスがある。その権利がある。
    厳しさに耐えられず途中放棄した者は、その後大変な責任を負うことになるだろう。前よりも不自由になるだろう。
    自由と責任はセットの本当の意味は、自由な生き方を選んだら、引き返さない責任があるよ、その覚悟できてんの?と思う。
    引き返すこと、後悔することは無責任だ。 027

    一人ぼっちじゃないから孤独。
    そこにいるけど、届かないって思うから孤独。 060

    家族でも距離はあったほうがいいと思うし、恋人でも近すぎると家族と変わらなくなっちゃうから。ある程度、どうしてわかってくれないの?みたいなズレがあるほうがいいと思う。
    そういういい距離っていうのを、見つけて、お互いが そうだね、この距離がいいねってわかりあえるっていうか。
    近づけないことを、悲しむんじゃなくて、その距離は絶対なくなるわけじゃないんだから、その距離を大事にしたり、好きになってあげなきゃいけないのね。 282

  • この本で人生変わった。

    宇多田ヒカルの人間性が大好き。
    今までのエッセイがつづられている。

    これで宇多田ヒカルを尊敬するようになった。

    「何事にも期待しない」姿勢を学んだ。

    名言集もずしずしくるものばかり。

    彼女は天才で賢くて優しいと思う。

  • 宇多田ヒカルが書いた『はじめに』こそがハイライト。言葉にチカラがある。ものっすごく想像が拡がる。こういう感性的な哲学を『解りやすく』『人に影響させるように』描くのって難しいはずなのに…しっかりと影響されました。最近感性鈍ってたなぁ…^^;
    本編は雑誌の寄せ集めみたいだけれど、曲を聴きながら読むと解釈が拡がる。当時コドモすぎて解った気になっていたフレーズが急に輝き出したり、隠されたメッセージに驚いたり。
    【線】は当時の『今』を集めたとっちらかったライフログでぶっちゃけ僕には合わなかったけれど、【点】は現在から過去を回顧したものでまとまりがあって、読みやすい。きっと数年後にはまた違った見方をしている部分もあるんだろうな…。
    結論。宇多田ヒカル熱、再発。今日は宇多田エンドレスリピートしちゃってます!

  • 率直に、彼女を天才だと思った。
    そしてこんなにも心が潤されたのは初めて。

    いままで 私の頭の中で グルグル渦巻いていた 答えのない問いに 、
    この本は そっとうなずいてくれた …そんな感じがします。

    彼女が書いた言葉は、理解不能なところもあるんだけれど、
    言葉で表せない感情だからこそ、
    そういう言葉になってるってことが解るし、
    それがまた、 私には共感できる部分であり、衝撃で。

    「一見複雑に見えるものごとを、 できるだけシンプルに表現する。

    “生きる"こともそんな感じなんじゃないかと思う。

    浄化にも濃縮にも似たプロセス。
    切り捨てることを恐れては進めないプロセス。」

    ただ何も意識せずに、 全感覚を思うままにゆだねることが、
    今存在してる証であって、
    自分が本質的に求めているものを見出すことなんだと思った。

    とにかくね、 ごちゃごちゃ悩む意味なんてないですよ。はい(笑)

    とにかくね、 彼女の表現者としての芸術性が 溢れてる本です!!

  • 「はじめに」は読みごたえがあった。 この本の価値はここにあるように思う。インタビューは映像で見てみたい。

  • 宇多田ヒカルのこれまでの発言と人生のあれこれを綴った本です。

    この本を読んで彼女の音楽性や信念が少しだけ理解できた気がします。

    もっと彼女の音楽を聞きたくなりました。

    たまにぱっと適当にページを開いて、

    黙々と読んでいます。

    何度も読んでも飽きない珍しい本。

  • 宇多田ヒカルのエッセイ本。
    これを読んで更に宇多田ヒカルの事、宇多田ヒカルが書く詞が好きになりました。
    しかし頭イイ。早熟だし、世界観がやっぱり独特。

  • 宇多田ヒカル好きだったので、購入しました。
    面白かったです。
    色んなインタビュー話を載せてあるだけなのですが、
    宇多田ひかるが出ている雑誌を買うということはないし、
    エッセーともまた違うし・・・という感じで。
    エッセー書いたら絶対面白いとおもうけどなー。
    もう出ていたりして・・・。
    10年後の宇多田ヒカルはどうなっているかという
    質問があって、
    今、読んでみると感慨深いものがあります。
    デビューからの写真も載っているので
    宇多田好きには、堪らないかもしれません。

  • 宇多田ヒカルのインタビュー集。その時々の顏が見れてすごく面白い。
    点と線を一つにして読むとすごく良い。
    どちらか一つを読み始めたらどちらか片方も読まなければ済まないくらい良い。

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