若々しく生きるとは、もともと備わっている生命力を取り戻すことなのだ!
こんなに壮大なスケールの健康書、もう出会うことはないだろうな……☆
優れた軍事諜報員であった頑強な人物が肺をわずらい、絶望的な状況に。一流大学に留学して自身が西洋の医学や哲学に通じ、さらに世界中を飛び回ったのですが、道が拓けたのは全く思いがけない方向からでした★ インドの山奥で聖者と出会い、自分がいかに頭でっかちになっていたかに気づいたのを機に、心も体もめきめき回復していったというのです。
人には、もともと命の力が備わっているーー! 生死を賭けた体験から悟ったこの真理を、著者は講演活動などで多くの人に広める道を選んだのでした。
中村天風氏の壮絶な生きざまです☆
このような人物伝を聞いては、興味を感じないほうが難しいものです。それでも、著書を読むかは迷いました。天風会なる団体名称も一緒に目に入るので、もしや新興宗教? と警戒してしまって……★
多くの経営者や著名人が入っているからという理由では信用できません。もしも一人のカリスマの教えをありがたがって、みな同じ方向を向いてしまうのであれば、群集心理の危険さを感じます★
しかし、天風氏の場合、説いている内容に一目も二目も置いてしまうね。からっとしていて、豪快で爽快で痛快な大きさがあるのです! それと、当時の医学(主に西洋医学)は、天風氏の体を回復させられなかったかもしれません。が、科学や物理で説明できる現象を知り尽くした上で、心と体の統一を図ったことも、多少は成果を上げたんではないかと思います。
いつまでも若々しく生きる。ただ長生きしようという意味ではないのです。健康に「戻る」ということ。自然治癒力を取り戻すこと、それを疎外するものは取り去ること、自然の法則に逆らず秩序ある生活を送ること……。講演内容をまとめたために独特の熱量がこもっている本書を読むと、強く太く生きた著者のパワーを受け取ることができます☆