ブルガーコフ作品集

  • 文化科学高等研究院出版局
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784938710620

作品紹介・あらすじ

ドストエフスキーより凄い作家がいる?『巨匠とマルガリータ』初期稿、「モルヒネ」、戯曲「偽善者たちのカバラ」などを収録した珠玉短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 「モルヒネ」が面白い

  • 「モルヒネ」 中毒者の心情が痛切に伝わってくる。その意味でサルトルの『水入らず』に収録されている、「壁」に通じるものがある。前者においては中毒者の苦しみ、後者においては処刑により死が逃れられないものとして迫ってくる苦しみは、誰も取り除くことができない。自分の努力によっても他人の力によってもどうすることもできないと感じる点にある。これらは経験しなければ分からない苦しみであり、それを中毒者の苦しみを体験したブルガーコフにとってその表現は現実味を持つように思える。
    また、モルヒネの投与によって恍惚となる場面は惹きつけられるものがある。

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著者プロフィール

1891年、キエフで生まれる。ロシア革命の動乱のなか、モスクワで文学活動を開始。1925年、長篇『白衛軍』を雑誌発表、短篇集『悪魔物語』を刊行するが、反革命的との批判を受け、戯曲も当局による上演中止が相次ぐ。失意の中、発表の当てのないまま 『巨匠とマルガリータ』『劇場』等の作品を書き続け、1940年死去。1966年に遺稿『巨匠とマルガリータ』が初の活字化、各国語に翻訳されて劇的な復活を遂げる。

「2017年 『劇場』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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