ggggoさんの感想
2013年1月8日
樹村みのりの作品はどれも素晴らしい話ばかりで選びがたいが、この少女編の中のジョーン・Bの夏は彼女の作品の中でも、ある種非常に過激な話であると思う。 過去の哀しい記憶のために他者から嫌われることを恐れ、嫌うことをやめた主人公はどんどん愚直になっていく。他者に対する猜疑心や攻撃心を失うことは、結局自分に向けられるそれにも気付かなくなることだ。中学生の時に初めてこの作品を読んだ時は良く意味が分からなかった。最近読み返し、その意味を理解し感銘を受けるとともに意味が分かるようになってしまった自分を少し悲しくも思った。
漫画家 「2019年 『女性学・男性学(第3版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」