ニブルとたいせつなきのみ

  • ビリケン出版
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784939029554

感想・レビュー・書評

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  • 「どろんこハリー」の名コンビによる本。
    後書きにもあるが、挿絵画家マーガレット・ブロイ・グレアムは作者ジーン・ジオンの妻。
    夫婦合作と知らずに読んでもじゅうぶん面白い。
    原題は「The Meanest Squirrel I Ever Met」で、クライマックスではそのセリフもある。
    和訳では「ニブルとたいせつなきのみ」だが、読み終えるとこちらが良い気がしてくる。
    原題のままでは、子どもたちが手に取るかどうか。

    感謝祭のためにとっておいた大切な木の実を、ママから借りて遊んでいたニブル。
    そこにM・Oと名乗る大人が現れ、ずるい手を使ってまんまと騙し取っていく。
    その夜家族で行ったレストランで、偶然そのM・Oを見つける。この後どうすべきか考えたニブルは・・

    問題が起きた時どうするか。理不尽な目にあわされた時どうするか。平穏無事な毎日を願っていても割とよく起こる問題で、対処のしかたはいつも難しい。
    ましてニブルはまだ子ども。対するM・Oは大人。
    力ではとても敵わないし、言葉でも圧倒されそう。しかも悪知恵の持ち主が相手だ。
    卑怯な手をいくつも思いついたニブルだが、それではM・Oと同じ土俵に立ってしまう。
    最終的にニブルは、正面から堂々とぶつかることにした。それもたったひとりで。

    「ニブルは しずかな、けれども しっかりとした こえで いいました。」
    「あなたは ぼくが いままで あった りすのなかで1ばん わるい りすです。あなたも わかっているはずです」

    うーん、ここはドキドキしてくる場面だ。
    もしももっと悪い事態になったらどうしよう。ほとんどの大人はそう考えるだろう。
    理不尽なことを平気でやるような相手だもの。
    でもここで大事なのは、卑怯な手を使わずに正々堂々と立ち向かったということ。
    うまくいくかどうかよりも大事なのは、その時出来ることを精一杯やること。
    だって、やってみなければ何も分からないのだもの。

    また、脇役にまわった感のある両親だが、こちらのふたりもとても賢明な対応をする。
    騙されたニブルを咎めだてもしないし、仕返しは良くないとたしなめてもいる。
    大人は、こちらも見本にしたいところ。

    音読すると20分超かかるので読み聞かせ向けではないかもしれないが、読まずにいるのももったいない。小さな子でもじゅうぶん分かるお話なので、ぜひおうちでも。
    感謝祭からクリスマスに向けた、まさに今が読み時。

  • 感謝祭蓄えをカフェのオーナーに騙しとられたニブルは、いろいろ考えオーナーと仲直りをし楽しいクリスマスを迎えます。

    ウ~ン、やっぱり「どろんこハリー」には、及ばないな。

  • こどものリスニブルがきのみであそんでいると、M・Oというリスがやってきて、いっしょにあそびはじめました。ところが、M・Oはゲームをするふりをして、きのみをぜんぶとりあげてしまいました。ところがそのばん、家族で言ったレストランで、コックのM・Oがニブルのたいせつなきのみを料理を出していたのです。さあ、ニブルはいったいどうすればいいのでしょうか。

    名コンビの楽しい絵本。ニブルになってドキドキハラハラすること請け合いです。

  • 「ニブルは子どものリスです。
    感謝祭の朝、ニブルはM・Oという知らないリスに、ごちそうの木の実を、みんなとられてしまいました。仕方なく家族は、新しくできたレストランに食事に行きます。なんとそこのコックはM・Oでした。いろいろ悩んだあげくにニブルは、M・Oと直接対決します。
    「あなたは、ぼくがいままで会ったリスの中で、一番悪いリスです」。
    勇敢なリス、ニブルのあたたかいお話です。」

  • なんだこれな話。

    ひがしちからさん訳

  • MO頭いい笑

  • 『どろんこハリー』のふたり

  • 大のおとなが子どもを騙しちゃダメでしょ。りすの子ニブルから感謝祭のごちそうの木の実をまきあげた物凄く悪いおじさんMOが、改心して元悪いおじさんMO(Moto warui・Ojisan)というところでは笑っちゃった。ニブルは勇気ある子だったんだね。無邪気なニブルがとってもかわいい。クリスマスにぴったり♪

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著者プロフィール

アメリカ・ニューヨーク生まれ。ニューヨークのプラット・インスティテュート卒業後、出版社で広告デザイナー・編集者を経て、フリーライター・デザイナーとして活躍した。1952年にデビュー作品である妻グレアムとの共作『ほら なにもかも おちてくる』(本作)がコルデコット・オナーを受賞。『どろんこハリー』(福音館書店)、『はちうえはぼくにまかせて』(ペンギン社)など沢山の作品がある。1975年没。


「2017年 『ほら なにもかも おちてくる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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