ブラック・メタルの血塗られた歴史 (Garageland Jam Books)

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  • Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784944124329

作品紹介・あらすじ

悪魔崇拝、教会放火、自殺、殺人、ネオナチ、テロ行為……
北欧に端を発し世界に広まったサタニック・メタルの炎、その全貌がついに明らかに!!

原書『Lords of Chaos』は1998年に初版刊行、ファイヤークラッカー賞音楽書部門受賞をはじめとした大きな評判を呼びました。追加取材の成果をふまえ2003年に新版を刊行。その全訳が本書『ブラック・メタルの血塗られた歴史』です。
ノルウェーを中心に巻き起こった悪魔主義を標榜するアンダーグラウンドなヘヴィ・メタルのムーヴメント「ブラック・メタル」。しだいに教会放火などの犯罪行為やナショナリズムへの接近など過激化が昂じていく過程を追った一冊。
バーズムのヴァーグ・ヴァイカーネスへの獄中インタビューや「悪魔教会」教祖のアントン・ラヴェイを含め多数の主要人物や専門家への取材をふまえつつ、音楽的な歴史から、オカルト/悪魔崇拝の歴史、北欧における異教信仰やナショナリズムのあり方など社会的・文化的・心理学的な背景を丁寧に探ったドキュメンタリーです。

感想・レビュー・書評

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  • 表題・題材・装丁とはうらはらに、きわめて真面目な本。メインはノルウェーだがそこにとどまらず、北欧・東欧・アメリカ・果てはニュージーランドの人間にまで取材して、ブラック・メタルなる音楽が反キリストや人種差別思想と結びついていった過程および原因を洗い出そうとする。
    まずはシーン前史から説き起こされ、いまだ血塗られていないブラック・メタル・シーンの成り立ちから語られていく。ここまでで全体の1/5ほど。
    続いてようやく、お楽しみの教会放火事件やかの有名な殺人事件の話になるが、関係者へのインタビューに多くを割いた構成は、それはそれで貴重で示唆的なのだろうが、連中の厨二ぶりにうんざりする。「第三帝国と音楽家たち」でナチス高官たちのやりとりを読んだ時にも感じたが、なぜこの手の人々は、半径5メートルくらいの人間関係しか視界に入っていないのだろう。とにかく、「ダチに対して」自分を大きく見せることに汲々としている印象で、そのセコさとやらかしたことの深刻さがまるで釣り合っていない。次第にバカバカしくなって、真面目に捉えようという気が失せてしまう。
    後半は、ここまでぐっと自分を抑え、厨房たちの誇大妄想に辛抱強く付き合ってきた著者が自説を展開するターン。一転してかなりお堅く、かなり力作。異端に「なぜ」を求める向きには、おそらくきっと、かなり有用。
    異端を「境界線のこちら側」から恐る恐る眺めて愉しみたいという私のごとき悪趣味な者には、いささか疲れる本だった。

    2014/6/19〜6/28読了

  • ブラックメタルを聴かなくても音楽に誘発(触発)された事件の詳細を知ることは非常に興味深い。

  • ブラックメタルを礼賛する立場からでも、批判する立場からでもなく、中道から描き切っている。豊富なインタビューがうれしい。

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