テレジン収容所の小さな画家たち詩人たち: アウシュビッツに消えた15000人の小さな生命
- ルック (1997年6月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本
- / ISBN・EAN: 9784947676528
作品紹介・あらすじ
本書は、第二次世界大戦の時代、高い塀と有刺鉄線にかこまれた、"収容所"とよばれる地獄にとじこめられていた子どもたちの心の叫びを伝えるものです。アウシュヴィッツをはじめとする"収容所"で殺された子どもたちの数は150万人といわれています。子どもたちの怒り、悲しみ、夢、祈り、そして、生きたいという叫び…生命のメッセージを受けとめてあげてください。
感想・レビュー・書評
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アウシュビッツ絶滅収容所への中継地テレジン収容所、ここに強制収容されたユダヤ人9万人のうち、親と引き裂かれた10-15歳の子どもたちは15000人、戦争終結まで生き残ったのはわずか100人でした。アウシュビッツへ列車輸送されるまで期間、先生の教えで楽しかった日々の絵、辛い状況を描いた絵や作文などが戦後奇跡的に発見され、プラハの「チェコ国立ユダヤ博物館」に保存されました。野村路子著『テレジンの小さな画家たち』をもとに、子どもたちの命のメッセ-ジとして新たな画集として出版された魂の叫びの書です。
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深緑野分さんの「ベルリンは晴れているか」以来、ナチス政権関連の書籍を読んでいる。(政権に対してではなく、その犠牲者ユダヤの人々について)
ドイツのテレジンに作られた収容所は、主に西ヨーロッパ諸国のユダヤ人たちをアウシュビッツに送り込む中継地として使われていました。
その中で、子供たちのための絵の教室が開かれました。
貴重な紙や筆記用具で、子供たちは様々な絵をかきました。
神がなくなると大人たちは命がけで紙を集めてきました。
書類の紙、ごみ箱から拾ってきたしわくちゃの紙、箱のふた、子供たちはどんなものにでも描きました。
きれいな花、自由に飛び回る蝶、楽しかった家庭、優しいお母さん、書いている時だけ寂しさや悲しみや空腹を忘れられたのです。
それらの絵には、名前と生年月日とテレジンからどうなったかが記されています。
ほとんどの子供はアウシュビッツでその短い生涯を終えています。
わずかな生存者によってそれらは保存され、詳細が語り継がれています。
子供たちが絵の中に描いた、楽しかったこと幸せな出来事はほとんどがかなわないままで終わってしまいました。
いつの戦争もどんな戦争も、子供が犠牲になるのはかなしい・・・