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  • Amazon.co.jp ・本 (628ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784990524357

感想・レビュー・書評

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  • 憲法の将来はどうあるべきか?

    2013年2月の東京アウトプット勉強会の課題本は
    東浩紀さんの「日本2.0」であった。

    この本の読了が課題ではなく、一部の章の読了が参加条件だった。
    この本の一番重要なところ、憲法2.0は非常に読み応えがあった。
    僕は前回の衆議院選挙の争点が憲法改正だと主張していて、
    でもどのような形がいいのかといわれるとそこまで案がなかった。

    ゲンロンが作った憲法草案の多くの部分で共感できた。まず首長公選制。
    これは早急に進めるべきだ。そして国の権限を地方に委譲し、
    国は外交、国防などに専念するという案も僕が以前から主張してきたところで、大いに賛同だ。

    一つ気になるのが二院制について。この発想は非常に面白い。
    外国人にも国の政治に参加できる制度は世界を探してもないからだ。
    ただ僕はやはり一院制にするべきだと思っている。
    日本の政治が停滞しているのは意思決定が非常に遅れているからだ。
    法律が出来てから成立するまでに非常に時間がかかる。
    またどれだけの法案が廃案になっていることか。

    僕は一番良い政治は独裁政治だと思っている。言葉に語弊があり、
    しばしば非難を受けそうだが、成長している国を見てみると良い。
    例えばシンガポールはほぼ独裁政治である。
    リークアンユー元首相が強烈なリーダーシップを発揮し、
    今や日本よりも豊かな国を築き上げた。
    さらにUAEやカタール。この国々も王族が政治を支配しているが、
    彼らのビジョンは非常にはっきりとしており、
    2040年はこうあるべきだという議論を行っている。

    独裁政治は弊害もある。中国やアフリカ諸国では汚職が蔓延っている。
    ではどうすれば国のリーダーが汚職に染めずに政治に専念するのか。
    この仕組みができれば国は必ず発展する。
    今の僕の課題はこの仕組みがなんであるか研究することだ。

    もう一つ課題文章の中で面白かったのが「勝機はインド以西にあり」だ。
    僕のグループで話をしたのだが、中東は今非常に景気が良い。
    例えばドバイ。1月に旅行に行ってこの目で見たんだが、
    建設ラッシュが続いている。ドバイショックも今や過去の話。
    国の税金はほとんどない。消費税もない。だから人が集まってくる。
    そして新たなビジネスが出来る。非常にいい循環だ。
    日本の外交もこれからはアセアンと中東を見ながら
    これらの国との関係を深めていくと良いのではないか。

    中東からはエネルギーを輸入し日本の技術を輸出する。
    アメリカにシェールガス革命が起こって世界のエネルギーバランスが
    大きく変化すると思う。
    日本はこの好機を活かし中東ともうまく貿易していけば両国が安定する。
    一方のアセアンは今非常に熱い国だ。
    安部首相の初の外遊がアセアン諸国だった事も思い出していただきたい。

    書き出したら止まらなくなりそうなので、この辺で筆をおこう。この本が何かの始まりになればすごくいいですね。

  • 了。

  • 東浩紀編集の言論誌『思想地図』第3弾は、憲法改正、民主主義からサブカルチャーまで、これからの新しい日本、「日本2.0」のための提言集、実践集である。

    (人文学研究科 修士1回)

  • 悪い場所と常岡さんの記事がよかった

  • 私は三島由紀夫という人物は生まれてくるのが早すぎたと思う。
    東浩紀氏の考えは20年後、30年後に評価されそうだ。それぐらい高度な内容なのだが、今の日本には受け入れ難いと思う。

  • 今年読んだ本(というかムック本)でとても良かった1冊。
    iOSアプリダウンロードしたのでバーコードから登録する最初の一冊でやってみたら、あれ、表紙の画像がなかった。ちと残念。
    。。と思ったら、あれ、webでマイ本棚みたら、表示されてた。一安心。

  • 東浩紀編『日本2.0 思想地図βvol.3』は、「アキハバラ3000-サイパン」という特集で始まる。東浩紀、志倉千代丸、もふくちゃんこと福嶋麻衣子の3人が未来の秋葉原の仮想キャラクターを演じるコスプレグラビアの後に、秋葉原について3人が語る座談会が続く。

    前号『思想地図βvol.2』は、震災後を意識し、アニメ、マンガ等のオタク文化に関する記事は影を潜め、社会問題中心の「まじめ」な紙面構成だった。今回の紙面には、秋葉原文化、憲法問題、ジャーナリズム、アート、日本の中東外交、ギャル男、クイズなど、多様なテーマの記事が並ぶ。本書全体を貫くテーマは、震災後の日本はどのような方向に向かうべきか。日本をver2.0にバージョンアップさせるための視点が、雑誌化されている。

    震災と原発事故が過去のものになったから、秋葉原に回帰したわけではない。震災後、原発事故後を踏まえて、秋葉原の存在意義が問われることになる。巻頭の秋葉原座談会は、秋葉原をいかにグローバル都市として戦略的に展開するか、アニメ、マンガ、ゲーム、初音ミクのカルチャー、コンテンツをいかに世界に展開するかという視点で、議論が展開する。初音ミクなどのカルチャーは、トップダウン式でなく、オタク達のボトムアップで展開してきた。故に戦略を決めて計画的に物事を進めていこうとするビジネス的な議論は、オタク的には嫌われる内容だが、続く村上隆の「芸術家の使命と覚悟-ドーハ」を読むと、世界市場を相手に、戦略的に振舞うことの重要性が意識されてくる。

    アートには、戦略と戦術が必要。日本人であることの文化的背景を伝え、異文化交流した上で、自分の主張をきっちり伝えることが必要。ヴェルサイユ宮殿での展覧会に続き、カタールのドーハで「五百羅漢図」の大規模な展覧会をした村上隆の言葉は、説得力がある。東が、世界市場を意識した戦略が必要だと、日本の「文化人」としては珍しいビジネスライクな発言をするのも、世界市場で活躍する村上隆との交流があるからだろう。

    東の周囲にいる人間の変遷を見ると、『思想地図』の変わったもの、変わらぬものが見えてくる。論壇デビュー後、柄谷行人、浅田彰らと決別した東浩紀は、デリダ研究者らしからず、日本のオタク文化批評家としての評価を高めていく。雑誌『思想地図』は、東と社会学者北田暁大との共同編集で始められたが、『思想地図β』には北田の姿はない。東に合流し、最近はAKB48を熱く語る新書を出した宇野常寛や濱野智史の文章も、最新号にはない。代わりに今号で東と同席しているのは、梅原猛、津田大介、現代アートの若手黒瀬洋平らである。

    梅原猛と東の対談では、原発事故後の哲学の問題が語られる。ハイデガー批判、西田幾多郎やデリダの名前も出てきて、原発事故後の日本から、世界に発信するべき独自の哲学が語られる。

    東、椹木野衣、黒瀬洋平の座談会「3.11後の悪い場所--東京」では、震災後の日本におけるアートのあり方が議論される。戦後日本は、世界の美術のスタンダードが根付かず、実生活と美術が乖離している「悪い場所」と定義した椹木は、震災によって何もかも押し流された現在の日本に、美術の力が必要だという。欧米式の建築する美術は、自然災害の多い日本では、簡単に流されてしまう。災害の現状と、災害後の喪失を描く美術に、日本だけの現代美術の使命が見出される。

    総じて『日本2.0』は、日本を新しくするための新しい言葉、文学、アート、文化、哲学、思想、憲法を求めている。新しさを日本に求めるだけでなく、日本を世界に広く伝え、主張しようとする雑誌である。

  • 現在存在する様々な自称が様々な面から語られている。

  • 「朝まで生テレビ」の日本国憲法のネタでこの中の「新日本国憲法 ゲンロン草案」が紹介されていて、日本国民と日本住民という括りが非常に興味を持たれて購入。

    サブカルだった頃の、「宝島」(B5版)や「Quick Japan」的なところも期待していたんだけど。

    興味のあった「新憲法」、「列島改造論」、「草木の生起する国 京都」と、個人的にそうでないモノのギャップあり。

    あとは、無人島に行ったときにでも読みかえしてみよう。
    お腹いっぱい。

  • 読んでいて注目したのは憲法2.0という日本国憲法を書き換える企画の中の国民院と住民院の概念である。
    憲法2.0においては、国会は住民院と国民院の二院制をとっている。そして、国民院では国民から選ばれた国内外の有識者が、住民院では住民から選ばれた国民たる議員がそれぞれがそれぞれのやり方で国政に携わる。このねじれ構造により日本人のみならず外国人からも広く意見を反映させられ、一方で日本が外国人に乗っ取られる懸念もかなり小さくなる。
    このアイディアはグローバル社会に対応するための基盤となるだろう。今では一部のエリート層だけでなく庶民レベルでもヒトの流出入は頻繁に行われている。日本の景気が立ち直らなければこの状況はさらに激化していくだろう。その時、日本に来た外国人はどうしたらこの国での生活がよくなるか考えるだろう、外国に来た日本人はどうしたら母国が発展を続けられるか考えるだろう。そういった異国の地だからこそ生まれる強い意志を掬い上げる制度だと感じた。是非、日本だけでなく世界中の国々で採用してほしい。

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著者プロフィール

1971年東京生まれ。批評家・作家。東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。著書に『存在論的、郵便的』(第21回サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』、『クォンタム・ファミリーズ』(第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』、『弱いつながり』(紀伊國屋じんぶん大賞2015)、『観光客の哲学』(第71回毎日出版文化賞)、『ゲンロン戦記』、『訂正可能性の哲学』など。

「2023年 『ゲンロン15』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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