要件事実入門

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  • 創耕舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784990651541

感想・レビュー・書評

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  • 初学者はこの本で始めるべきではない、と思った。

    訴訟で法的効果を主張するには、該当条項の要件を満たしていることを客観的な事実で説明しないといけない。各条項の要件は原告/被告どちらが主張する責任を負うか、あるいは抗弁に使われるべきなのか、といった訴訟時の法的フレームワークを俯瞰できた。ただ、要件事実論そのものを始めて学ぶ者としては、随所に解説が足りないという印象を持つ箇所があり、この本だけでは要件事実論そのものを正確にかつ十分に理解するまでには至らなかった。

    個人的に、前半の要件事実論に関わる言葉の定義や解説があっさりしていて、若干パニックになったが、具体例を挟んでくれているのでそれを丁寧に読み解きながら一定の理解を得た。中盤(第2章?)は諸説を並べながら自説の有用性を解説しているように思えたが、そもそもの諸説となぜ諸説あるのかという問題点自体を理解できないまま、話が進んでしまうので、この時点で半ばきちんと理解することを諦めてしまった。後半はそれまでの説明を踏まえたケーススタディの解説だが、既に思考停止に近く、前提となる基礎知識も身に付いていない状況で、触りを何となく追うだけに。

    まずは要件事実論の教科書相当に触れて大まかな基礎知識を得てから本著を読んだ方が良かったと思う。専門書に挑んでは置いてけぼりになって本を閉じるという、学生の頃に度々経験した感覚を久し振りに思い出した。読むにしても、今の自分の力とこの本からどういったことを学びたいのかという目的や期待を踏まえ、場合によっては途中でも今は辞める、という選択肢を持つべきだったと反省。

  • 東2法経図・開架 327.2A/O38y//K

  • 平成26年9月5日購入(初版第1刷)

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著者プロフィール

1966年生まれ。1990年東京大学法学部卒業。東京地方裁判所知的財産権部特例判事補、福岡地方裁判所行橋支部判事を経て、現在、東京高等裁判所判事。 著書に、『要件事実入門』(創耕舎、2014年)、『民事訴訟マニュアル──書式のポイントと実務 第2版(上下)』(ぎょうせい、2015年)、『要件事実問題集[第4版]』(商事法務、2016年)、『要件事実マニュアル 第5版 全5巻』(ぎょうせい、2016-2017年) 、『裁判官! 当職そこが知りたかったのです。──民事訴訟がはかどる本』(中村真との共著、学陽書房、2017年)、『要件事実入門(初級者編) 第2版』(創耕舎、2018年)。

「2019年 『裁判官は劣化しているのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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