ブラック・ライブズ・スタディーズ: BLM運動を知る15のクリティカル・エッセイ
- 三月社 (2020年11月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784990775551
作品紹介・あらすじ
「あなたが受け取るメッセージはなんですか?」
本書はBLM(ブラック・ライブズ・マター)運動とその背景となる歴史や文化を理解し、今も続く構造的・制度的レイシズムに抗うためのブラック・カルチャー評論集である。
集められた15編の論考やエッセイのひとつひとつには、BLM運動を理解するための鍵がちりばめられている。
BLM運動自体の解説はもちろんのこと、奴隷制とその廃止、リンチと暴力の歴史、公民権運動、文学に描かれた世界の黒人表象の解釈、コミックやアニメ、近年の映像などのポップカルチャー批評を通して、BLM運動に至る長く複雑な歴史的背景を理解し、差別や偏見、抑圧や侮蔑に抗う先人たちの苦闘とその意味を知ることができる。
【本書より】
「アカデミズムの場で扱われてきた人種と階級、国家と民衆、貧困と犯罪、文化とアイデンティティといった研究テーマが、出版による発信というBLM運動への「参加」によって有機化され、どこに問題があり、どのような意識改革やシステム改革が必要なのかを問いかけるきっかけになれば、と心から願う」
「ジミーよ、彼らの多くはあなたの「目撃証人」が求めたように、配信される動画の中の語られる=映し出されることのない「現実」をともに生き、悲しみ、嘆き、憤りながら、その「不在」にきっと思いをはせるはずだと信じてほしい。そして、この日本の地からも大きな異議申し立ての声をあげることを信じてほしい」
【目次】
偉大な国の未熟な文化 ―― リンチと銃と原爆と ◉山本伸
階層と差別の重層構造 ◉西垣内磨留美
ジョージ・フロイドの死をめぐって思うこと ◉N・Y・ナシリ
第二の公民権運動としての「ブラック・ライブズ・マター」運動 ―― 黒人の二極分解を乗り越え、真の平等を求めて ◉加藤恒彦
受け継がれる尊厳 ―― ダグラスからキング、そしてオバマへ ◉田中千晶
世界と私の間に ―― リチャード・ライトの自己表現への渇望 ◉永尾悟
ジミーよ、今生きていたら何を思う? ――ジェイムズ・ボールドウィンの『白人へのブルース』 ◉清水菜穂
人種表象のセンチメンタリティに抗して ――『ダンボ』と「ピンクの象のパレード」 ◉ハーン小路恭子
アーロン・マッグルーダーの『ブーンドックス』 ――黒人問題を内部から描くコミックスとアニメ ◉三石庸子
ジョン・ルイスのBLM運動における遺産 ――視覚的・物語的メディアとしてのコミックスとの関連から ◉鈴木繁
ポスト人種とヒップホップ ◉川村亜樹
日本における黒人の運動に対する共感と黒人イメージの変化 ――小説 西野辰吉「米系日人」(一九五二)の黒人表象を中心に ◉西田桐子
お玉杓子はジョン・ブラウンの子 ―― 替え歌としての「ジョン・ブラウンの屍」 ◉平尾吉直
『海底二万里』のテロリスト ――ジュール・ヴェルヌの奴隷制批判 ◉馬場聡
人種差別と欧米型近代 ◉北島義信
感想・レビュー・書評
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エッセイ集みたいな感じなのだけど、
文章が読みやすいものとそうでないものに
バラツキがあり、途中で全部読むのは諦めた。
黒人差別の歴史について
自分は何も知らないのだなと認識した。
少しは知っているつもりだったが
知らないに等しいことがよくわかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2022年11-12月期展示本です。
最新の所在はOPACを確認してください。
TEA-OPACへのリンクはこちら↓
https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00598630 -
公民権運動など昔の話ばかりで、今のBLMを知るには全く役に立たない本だった。
https://seisenudoku.seesaa.net/article/481153953.html -
ボールドウィンについての評論を読みたくて借りた。
語られる死は悲劇だが、その悲劇の向こうには語られさえしないいくつもの死がある。
多くの「良き市民」は、社会に深く根付いた差別の因果関係を明らかにすることを嫌う。差別の是正は、社会秩序への挑戦にならざるを得ないからだ。 -
東2法経図・6F開架:316.8A/Y31b//K