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- Amazon.co.jp ・本 (140ページ)
- / ISBN・EAN: 9784990939748
感想・レビュー・書評
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旧ソ連のSF作家ベリヤーエフの作品。同作者の合成人間ビルケまたはドゥエル教授の首または生きている首(タイトルは異なるがいずれも同じ作品)を幼少の頃読んだ人も多いのでは。星新一のショートショートを長めにしたような奇想天外なのにまるで現実的、科学や人間の愚かさへの風刺がたっぷり詰まった作風がベリヤーエフの持ち味だ。
永久パン、こんなものが世の中に生まれたら何が起こるのか、人は怠惰になり商業主義者たちはより儲けを企み環境は破壊され…。そしてそこには科学者の悲哀がある。発表は1928年という作品だが今も全く色褪せない。
ソビエトという国は科学的で哲学的で、ベリヤーエフのような作品を生み出す土壌のある知性の国だと私は思う。少しトンデモ科学の臭いが強いのは、世界の科学よりも少し時期の早いモノサシで世界を測ろうとしたからだ。
今独裁者はウクライナだけでなくこれほどまでに優れたソビエトの文化歴史思想をも侮辱し破壊しようとしている。今こそ敢えて、ロシアの優れた歴史文化に目を止め味わいたい。
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